モンスター

百田尚樹・幻冬舎文庫

「永遠の0」で一躍有名となった著者。楽しみな一冊ではある。先輩からのお下がりで読了。
沢尻エリカ主演の「ヘルタースケルター」も美容整形ネタだったが、最近このテーマが流行りなのか。

解説にもある通り、主人公が繰り返していく整形のくだりは細やかで、引き込まれる部分の一つではある。
そして主人公の屈折した内面の強さもスイスイ読める理由だろう。
気になったのは、ホイホイ罠にかかる哀れな男どもをあざ笑いつつも、どこか男性に都合が良過ぎないかな。
これは女性が書いたら、また違った物語になるんじゃないか。
村上や崎村など、良い味出してるキャラは男性に限られてるのも失礼な気がするんだ。

ラストも今一つ面白くない。
エピローグで言わんとした事は、英介は最後に彼女を捨てて、おそらくは妻の元へ戻ったのだろうと言う示唆。
むしろ村上が一枚かんでくれるくらいのオチが欲しかったけどな。

で、かく言う私は無類の面食いなので、こんな女性がいたらイチコロなんだろう。

(12/08/08)


茶色い本棚(国内作家)へ戻る

私の本棚へ戻る

タイトルへ戻る