■樋口達郎
将来に展望を見いだせない保育士。かつての恋人、香月紗弥を≪小口テロ≫で亡くす。
子供の喧嘩で、「むかついたからってたたいたりしたら、テロと同じだからね」と言う女の子の諭しが胸に響く。
■小村義博
工場のラインで働いている派遣労働者。吃音を気にして孤立している。
結婚もしている同僚の川崎とは唯一交流を持っていたが、飼いならしていた野良猫を川崎が轢いてしまい、関係が悪化する。
SNSで知り合ったOL≪みどりん≫ともデートこそできたが格差を感じたところに、
≪トベ≫からの囁きで奪ったトラックで店に突っ込むという≪小口テロ≫を実施する。
■二宮麻衣子
小村の≪小口テロ≫の現場に居合わせる。会社の同僚だったヘイトさんと被害者の介抱を手伝う。
それを気にヘイトさんと仲良くなるが、ヘイトさんは持病の心臓患いでネットカフェで倒れる。居合わせた人が通報一つしてくれず
ヘイトさんが死んでしまった事を聞かされた
⇒■片倉亮の章で、自分が最初の≪トベ≫だったと告白するのだが、それはあまりに時系列の辻褄が合わない様な・・・
と思ったら、この章だけは3年前なんだ。この事故は≪小口テロ≫ではなく運転手のナルコレプシーによる事故。
ヘイトさんを見殺しにした日本人を恨み、≪トベ≫となってその後の≪レジスタンス≫を煽ったということだ。
■北嶋和歌子
スクランブル交差点で刃物を振りかざす≪小口テロ≫をニュースで見る。
友人の真季子と、自分たちの置かれた境遇に胡坐をかき、≪小口テロ≫を行う人間とは出来が違うと放言するが
それを聞いていた息子から、自分は≪小口テロ≫を実施する人の気持ちも分かるし、真っ先に和歌子のプライドを壊してやりたいと
手痛いしっぺ返しをくらう。
■猪原公平
スクランブル交差点で≪小口テロ≫を行った加害者の取り調べをする公安刑事。
≪トベ≫の存在に行き当たり、捜査を進める中で引きこもりがちだった娘がSNSで≪トベ≫の励ましにより学校へ戻り始めた事に葛藤。
ただし公安警察として平和のため、おとり捜査で≪古川トベ≫を逮捕するが、その顛末が娘に明かされてしまい娘から信頼を失う。
■伊藤圭輔
≪伊藤トベ≫として、≪ひでぶ≫を励ましたうえで≪小口テロ≫を使嗾し、≪ひでぶ≫は勤務先の店長などを殺害し、自殺を図る。
自身は、恋人の美和との進展を期待している内に、美和は伊藤に感化され国際ボランティアに応じるため旅立っていく。
■川渕真弓
政昭とは社内の痴漢を救ってくれた縁で知り合った。たまたま同じ会社に勤めていたこともあり、交際を経て結婚。
パート先の派遣社員同士や、旧友のバツイチ女性の早百合との会話で、夫が≪トベ≫かもしれないという不安を抱く。
夫が忘れ物したスマホを除き、≪トベ≫としてではなく、単なる浮気だったことにいったん安堵し、猛烈に悲嘆にくれる。
■川渕政昭
中学時代に親友の木暮を一家心中で亡くしてから、社会を恨んでいる。≪トベ≫と接触した事がある。
自身は≪トベ≫を継承せずに個人で≪レジスタント≫活動をしていた。妻からの疑いは、浮気を偽装してごまかす。
≪小口テロ≫とはちょっと違って、無人の公共物を爆破するテロを実施しようと、SNS仲間に持ちかけるが
一顧だにされずに目的を見失い呆然とする。
■奈良坂俊和
スクランブル交差点での≪小口テロ≫の時系列。
息子は就職難の末にどうにか就職したブラック企業で消耗し、中学時代の先生を刺したのちに自殺。
妻は事件後に気晴らしで友人と会いに行った帰りに自殺とも事故死とも取れるかたちで命を落とす。
ブラック企業を訴えたトラブルを勤め先から嫌われ、奈良坂はクビになる。
息子が生前≪トベ≫から≪小口テロ≫を唆されていたことを知り復讐を計画だけを生き甲斐にしていた。
奈良坂は、かつて野球部で控えのエースとして目が出ずにいた。
当時のエース戸田は大学野球までは栄華を極めたが、会社勤めの末に失脚し、お互い違法ハウスで出くわした。
戸田も奈良坂の計画に加担する。二人は≪トベ≫を罠にかけて、奈良坂は≪トベ≫を刺す。
戸田は、最期に友人の計画を成し遂げる手伝いができた事に興奮し去っていく。
当の奈良坂は復讐を遂げた満足感も無ければ、罪におののき、これまでの≪レジスタント≫たちの究極の空しさ、絶望の輪廻に気付く。
■片倉亮
両親を小村の?≪小口テロ≫で亡くし、叔父を訪ねて流れたきたマレーシアで、日本人である麻衣子に出くわす。
茶色い本棚(国内作家)へ戻る
私の本棚へ戻る
タイトルへ戻る