ウツボカズラの甘い息

柚月裕子・幻冬舎文庫

積読解消シリーズ第一弾。これは完全に解説買い。
展開は面白かったけど、疑り深く読み進めたもんだから幾つか気になる点が残った。

11章で、急に中川菜月巡査の呼称が菜月から中川に変わるのは何故?
⇒文絵視点という章立てだからか。

コンパニエーロの事務所家賃が田崎本人口座から引き落とされた理由は?
⇒これも捜査2課の内偵かかる矢先、が説明になってる訳でもないよね。なぜ事務所家賃を会社経費にしなかったのか。
特に田崎の性格からガメツさを感じるだけに不自然。
コンパニエーロの階違いのフロント企業は?単に舞台装置か。

味噌カツをはじめ、響子のエピソードは必要?
⇒秦のキャラクターを不憫に味付けするためか。

犯人は最初からいる、のセオリーに立てば菜月。だけど警察官になった身分を棒に振るリスク犯す根拠は?
誰への復讐?秦への?でも秦とのペアリングも偶然の産物のように思うけど。
⇒大外れ

なんか医療施設との関連があるのね。(秦→蒲田中央病院 妻/田崎→清愛の園 母/真野知世→白鳩の苑 父)
ここにオチは付くのか?
⇒特になし。

ご都合主義な感じもあるけど、投げっぱなしジャーマンほどの破綻もない。
松井玲奈の解説含めて、まぁ良かったんじゃない。
映像化の際は、ぜひ中川菜月役は松井玲奈でお願いします。
そうすると秦圭介は誰かな。

(20/09/27)


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