勝ち逃げの女王

垣根涼介・新潮社

文庫化を待たず図書館で見つけて迷わず手に取った。
このシリーズは本当にテンポよく読める。
NHKドラマ化の際の配役である、沢口憲二や田中美佐子、北村有起哉を思い浮かべながら
あっという間に読了。
あれ、川田の美代ちゃんって、こんなふんわりしたキャラだったっけか?

○File1
偶像であり続ける矜持と、武器の使い時か。ラストのストンは悪くないね。
年間40回も合コンしてるのは羨む事なんかではなく、一つ一つに重みが無いだけ。
数で競うのは、意味のない尺度。

○File2
これは自分軸のハナシか。
File1の女王も自分で決めた。孤独を背負って立ち、己で決めるしかないのだ。
結局、結婚しても逃げ道にはならず、受け皿が増えるというより
背負うものが増える覚悟があるのかってハナシか。

○File3
いい人止まりじゃ意味が無いって事。
部下に庇われる上司で居続けられるのか。
ただし勝負できるのは自分が懸けるだけのバックボーンがあったればこそだし
認める家族の度量も問われるけど。
今更ながら、仕事だけじゃなく家族のハナシでもあるんだよね。

○File4
吉野家のバイト社長がモチーフか。でも、いくら何でも馬力ありすぎないか?
でも、今に充足感とか手応えとか感じたいと言うのは分かるかも。
谷村有美も歌っていたじゃないか、「今が好き」と。
仕事を持ち越さず、常に今が勝負。
月刊誌でもなく週刊誌でもなく新聞を選んだ彼の人のようだ。
バスの運転手に就くには未だ早い。

(13/12/21)


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