終末のフール

伊坂幸太郎・集英社文庫

うん、伊坂ワールド悪くない。
世界の終わりを前にした仙台市周辺を舞台とした連作短編集。
少しずつ章ごとの登場人物が重なっているのが面白い。

あと3年で世界が滅ぶと言うその時、人はどんな思いで生きるのか。
多くの登場人物たちも、人と人との関わりの中で、最期をどうするのか考えている。
やっぱりそうだよね。

世界の終りまであと8年と言われた直後でもパニック状態だろうし、
残り1日や1ヶ月でも自暴自棄になるだろうし、
残り3年っていう設定がまた何ともリアルに登場人物たちを悩ますのだろう。

世界の終わりを憂う人もいれば、世界の終わりを待ってる人もいる。
人間は弱い生き物。一人きりでは生きられない。
凄惨な世界を5年も生き抜いてきたキャラクターたちは皆、素敵だ。
中でも『太陽のシール』とか好きだな。

(13/06/23)


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