冤罪者/失踪者

折原一・文春文庫

2冊まとめてしまうのには理由があります。

いずれも技術先行と言うのかアイディア勝負と言うか、親切じゃないですよね。 こういう書き方が斬新なのかどうか分りませんが、読んでいて疲れました。 我孫子武丸の「殺戮にいたる病」とか、連城三木彦の「どこまでも殺されて」とか こういう書き方ですよね。

日経エンタ!という雑誌でダウンタウンの松ちゃんが映画評を書いてますが、 「メメント」や「マトリックス」をめった斬りにしたのと同じ気分です。

でも、もちろん良い点もありますよ。 タイトルは秀逸ですね。「冤罪者」の方は STALKERS の副題があるんですね。 このタイトルそのものでしたものね。 「失踪者」は The Trace of A ですが、だれがAなのかってのが問題ですよね。 書き出しがまさかあの人の視点だったとはねぇ。 「冤罪者」のあとがきで、登場人物の一人が続編に出てくるのは知ってたんですがね。

「失踪者」の舞台は埼玉県久喜市。私もよく知ってるところでしたが、 過去に本当に失踪事件があったのでしょうか?

最新作の「沈黙者」は買いません。 きっと同じように人物描写に騙しが入ってるんでしょうけど、 もうお腹一杯って感じです。

(02/2/11)


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