警官は微笑う

日明恩・講談社文庫
日明恩。
恩田陸。

パッと見、ちょっと似てない?
よく見ると、似てないのは百も承知だが。

本屋でインスピレーションで衝動買いした1冊だが、如何せん分厚い。
鞄に入れておいて、外回りの電車の中でちょっとずつ読もうという気にはならず
2週に分けて週末にまとめ読み。
やっぱり途中で間が空くとテンポが落ちる。
これは完全な読み手側の事情なのだが、クライマックスへの勢いに着いて行けず
どうしても意地悪にご都合主義な場面ばかり気になってしまう。

そんな意地悪視線だから、最後に宮田から語られる後日談が良い。
良いって内容ではないのだが、真実なんてそんなものだと。
自分が命を捧げてきた、その手応えが得られるとは限らない。
その覚悟があるだろうか。見返りを期待しない無償の愛って難しい。
無償だから却って重いのかもしれないし。

最後に余談。
武本巡査部長と塩崎警部補って、田中芳樹の「薬師寺涼子」シリーズの泉田と岸本を彷彿とさせるのは、
ちょうどTVアニメで「薬師寺涼子」が放送されているタイミングだからだろうか。

(08/07/21)


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