七色の毒

中山七里・角川書店

こないだ読んだ「切り裂きジャックの告白」の犬養刑事のスピンオフ短編集。
どのハナシも捻りが効いているし、書き下ろしの最終話にて娘さんとの確執に一定の結論が示されており、
そこも含めて満足度は高い。ただね、短編だけに仕掛けが窮屈な感じ。やっぱり長編でじっくり味わうのが良いな。

『紫の献花』で高瀬から樫山へ捧げられた保険金が、枷となって新たな悲劇を生むかどうかは、また別のお話って事だ。
『赤い水』『紫の献花』の高瀬、『緑園の主』の啓造などの、証拠の残らない未必の故意をどう裁くか、犬養刑事が
何度も煩悶しているけど、これが作者の裏テーマなのかな。

(14/5/6)


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