ツナグ

辻村深月・新潮社

2011年一発目は辻村深月。図書館から借りてきた1冊。
生者も死者も一度だけ会うチャンスを持っていたら、と言う架空のファンタジー。
会いたいのに断られて会えなかったエピソードも一つくらいあって良かったかも。

御園奈津が嵐美砂に伝言を託したパターンは大人すぎる。
怨み言の一つも言わなきゃ、唯一のチャンスに重みが無いぞ。
とは言え、やっぱり面白く読んだけどね。

家族の物語が辻村ワールドの根幹である事は間違いない。
もう一つの辻村ワールドの根幹たる、地方と都会の対立軸も
畠田家の長男・次男のエピソードに垣間見えた。

与えられた文字数に見合うだけのエンターテイメントではある。
少なくともラストで呆気にとられる展開では無かった。
何かの書評かコラムで、辻村深月自身がこの作品を評して
まだ若い自分が人の生き死にの事を書いて良いのか悩んだが、
この年齢だから書ける事にチャレンジしたのだとあった。
皆さんは、どう読みますかね。

(11/01/04)


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