ロミオとロミオは永遠に

恩田陸・ハヤカワ文庫

私にとって初の恩田SF。どっちかと言うと恩田色よりは、ハヤカワSF色の方が強いかな。
体制崩壊した近未来の日本。どうしても村上龍の「五分後の世界」と比較してしまう。

イワクニかシマバラが裏切り者では?と、思った場面もあった。
非業の死を迎える事になり、疑って悪い事したなと思ったものの、
やっぱり当局の回し者で仕掛けゴーグルを作ったのかな?なんて思った。
梨南子のパターンでね。一旦、味方と思わせて実は敵でしたってね。

イワクニが白だとすると、シマバラが授業中に事故に遭うのはあくまで偶然?
ナガオカが仕組んだとするなら、ナガオカの立ち回りはもう少し大きく取り上げられても良さそうだが
彼も今ひとつ陰が薄い。

全体的にキャラの描き方が散漫。
「禁じられた楽園」も収まりのつかないラストだったし、
4〜5人程度の内面を掘り下げる方が得意なんだろうな。

キョウコを訪れた「弟」は案外タダノだったりして・・・あ、ハズレか。
タダノもかつての卒業総代だったりしたら笑えたのだが、そこまで深みは無いようで。
_

(07/07/30)


黄色い本棚へ戻る

私の本棚へ戻る

タイトルへ戻る