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あさのあつこ・幻冬舎文庫

「バッテリー」の人だよね。スポ魂系のお話かと思って読んだら、けっこう重たいお話でビックリ。
親子の物語でもある。親の期待を受ける子供の葛藤。故有って引き取った子供を愛したいのに愛せない親の苦悩。
そして四方八方行き詰った主人公が、戦いの場に戻ってからの本当の戦いが始まる・・・
と思ったあたりで物語が終わるので消化不良。

そしてキャラクターの描き込みがもう一歩。
鈍感なミッキーとお杏に進展があるのか。クマ先生があの兄妹に肩入れするのは何故なのか。久遠自身は壁を超える事はないのか。

物語のクライマックスとしては、別離すると思われた母娘が実は絆で結ばれてましたって絵になるかもしれないけど
本当にそれで良いのか。ご都合主義の空気は否めない。

まぁ、テーマは悩める高校生。読書感想文などの題材には無難な1冊かもね。

(12/08/12)


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