島はぼくらと

辻村深月・講談社

ちょうど文庫化されたタイミングではあるけれど、私はさに非ず。
図書館でハードカバーを借りてきた。
辻村深月の青春モノも後味が良くて気持ち良い。こういう学園生活を送りたかったのだろうな。
ちょっと影のある女の子。利発な学級委員タイプ。線の細そうな男の子。実は良いところのある悪ガキ。
そんな辻村流4人組も、パッケージ化してきてる気もするけど
まぁ、気持ちの良い思いができるのなら、それも良いか。
衣花みたいな、桐野景子タイプの強い女性ってカッコ良いね。
その強い女性が時折見せる弱さが、男性目線ではたまらなと言うか。

p23あたりに自称作家先生が出てくるとき、「だったら赤羽だよなー」とは思ったの。
カメオ登場が好きな作者だからね。後半の私の歓喜は言うまでもない。
何なら、チヨダ・コーキ先生にも出てきてもらえば良かったのに。

今回は東日本大震災のことも、少し盛り込まれており、社会派へ移行しようとしているのかね。
女性目線でのネットリとした内面を描く作家さんは、他にも大勢いるけど
辻村深月はまだ後味の爽快感に救われるかな。
引き続き、気になる作家さんであることは違いない。「ハケンアニメ!」とか未読もあるし、
楽しみにしておくよ。

(16/08/12)


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