魔王

伊坂幸太郎・講談社文庫

本との出会いはタイミング。
実は先輩から「モダンタイムス」を借りていたのだが、「魔王」と繋がっていると言うので
先に「魔王」を読もうとして、図書館を何度も覗いたんだけどようやく借りられた。

自分の頭で考えろ、と。
「イージスの盾」や「半島を出よ」などにも通じる、そんなテーマなのか。群集心理なら「Q&A」か。
奇しくも民主党、自民党の総裁選、大阪維新の会の政党化など喧しい。
誰になっても同じ。だったり
希望の星を見つけてきて、あとはヨロシク。だったり
その程度では世界は何も変わらない。
魔王は人々の無関心が産み落とし、追従によって育まれ、顕在化して猛威を振るう頃に気付いても手遅れなのだ。

『呼吸』の方の、ねこっケイのエピソードは、候補者乱立した自民党総裁選への当てこすりの様で笑ってしまう。
谷垣さんを下ろしておきつつ、片や5人も候補者を擁立する黒幕の陰謀は誰に仇為し、誰に与するのか。

自衛権の問題も、尖閣諸島、竹島など喫緊の課題となっている今だからこそ現実に突き付けられた問題だ。
「七都市物語」の先制的自衛権を思い出す。力は所持していれば、いつの日かそれを使いたくなるもの。
使われない伝家の宝刀なんて有り得ない。

紙も25回折り畳むと富士山の高さに喃々とするらしい。
一つ一つは小さな積み重ねでも、限界突破点を超えると等比級数的な変化をもたらすと言うことか。
でもまぁ、一票の格差是正はお願いしておきたいところだね。

さて、もしも安藤と同じ“力”を持ったら、どうするだろ。
好きな人に「好き」と言わせるか。

(12/09/15)


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