九月が永遠に続けば

沼田まほかる・新潮社

テーマは禁じられた恋か。いやー、ドロドロしてるな。
失踪だったり、異母兄妹の屈折した感情なんかは恩田陸でも
「まひるの月を追いかけて」や「虹と雲と鳥と」など多数あるけれど
これはそれらとも違って、重たかったね。

章タイトルから、ある程度のエンディングを予想させるんだけど
そこはそれ、捻りが効いてる。失踪した文彦は意外なところで姿を現し
死ぬのは…、えっ!
弔いの日に事情が明らかになり、手向けの鐘が鳴る。
カンザキミチコの本名は明かされるが、オオヤマスミの本名は分からないまま。

ダディこと服部正雄のおっさんがいないと、最後の最後まで救いようの無い物語だったかも。
彼のお店ずい分お休みしてる様に思うけど、大丈夫かね。別れた奥さんへの慰謝料大変なんでしょ。

沼田まほかるを読むのは初めてなんだけど、一行でガラッと場面転換する部分とかは新鮮。
これがデビュー作で、「ユリゴコロ」など話題作は多数。
まずは図書館で一緒に借りた「アミダサマ」に挑戦だけど、ちょっと立続けに読むのはしんどいかも。

(11/07/03)_


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