■16年前
田地の鑑定した精神病患者が殺人事件を起こす。
これがきっかけで洋一郎は精神科医への道を断念。

■3年前
咲枝の癌再発。
これがきっかけで洋一郎は心の病になり、機械メーカーを辞め田地の口利きで大学病院の清掃員に。
亜紀が田地に初めて凌辱を受ける。

■2年前
水城家お引越し。
その新居での田地の2度目の凌辱の痕跡を水城が見つけてしまい、恵の不貞と思い込む。

■1年前
亜紀が公園で不審者に悪戯されそうになる。


■5月7日(日)
咲枝の葬儀。
死に際して咲枝が田地に強姦された事を告白された洋一郎は殺意を抱き詐病偽装を始める。

■5月13日(土)
洋一郎が決意の証として『ムンクの叫び』を購入。

■5月14日(日)
運動会。
亜紀は初潮で早退。これで過去の凌辱を思い出す。
20時前に恵が田地に徹の事を相談。帰宅後、亜紀から真相を語られ心中を決意。
21時頃に恵が“投身自殺”。実は亜紀が近くにいた。
22時に洋一郎のPCで遺書を作成した形跡が残されている。これは亜紀によるもの。
23時の時点で“右手が痛い”真相を知っている亜紀が自宅から父親に恵不在のTEL入れるのは不自然で、ミスリードとしてはやや強引。 この夜、凰介は恵が死ぬ夢を見る。

■5月15日(月)
洋一郎が出勤。竹内と会話中に田地から恵の死を知らされる。
読み返すと、なかなかに技巧的なミスリードあり。田地が怪訝なリアクションを示しているのは『狂い』と言う過剰に攻撃的な表現に対してのみと思うじゃないか。
洋一郎が水城家へ赴き徹の苦悩が語られる。
亜紀の自殺未遂。右手のカモフラージュでもあった。
亜紀を病院に搬送後に洋一郎は屋上へ上がり、一つの犯行イメージ確立。
凰介は学校帰りに水城家へ立寄るが亜紀搬送中で不在。帰宅後に洋一郎との会話で恵の死と、亜紀の怪我を知る。
ここで凰介が父の病状を心配する辺りも技巧的で、攻撃的な表現を気にしてるだけで無く、精神科医としての視点そのものが心配の種とはね。
夜に洋一郎と水城がTEL。

■5月16日(火)
洋一郎は大学病院で精神科医としての詐病偽装を行う。
凰介は学校帰りに田地に相談に赴き、帰りにコンビニで亜紀と出くわし公園で会話し、“恵の自殺”に関するミスリードを語る。
帰宅後に洋一郎・凰介の2人で恵の通夜へ。
凰介は夜に宿題でPCを使い、亜紀の作成した遺書の原稿に気付く。
田地から洋一郎にTELし、診察を受ける様に懇請。

■5月17日(水)
洋一郎は夕方に田地の診察を受けカウンセリングを勧められる。
ここでも田地がカウンセリングを勧める決め手になったのは、『狂い』への攻撃的な姿勢だと思うよね。

■5月18日(木)
凰介は夕方TELで亜紀に呼出され公園へ、亜紀の家出宣言。亜紀を凌辱したのは水城であるかの如くミスリード。
凰介の計らいで亜紀を我茂家に呼ぶが、洋一郎に初潮を知られた事を恥かしがる亜紀には拒まれる。結局行くのだが。
夜中のファンの音は洋一郎が義姉宛てに認めた封書=種明かしを作成し印刷した音。

■5月19日(金)
洋一郎が姿を消し、水城家での徹に対してのセリフでミスリードの仕上げ。
探しに出た凰介が水城、洋一郎と相対し真実を語り、凰介から携帯で連絡を受けた田地が登場し洋一郎を病院へ連れて行く。

■5月20日(土)
凰介は亜紀を伴い病院へ。田地の診断結果と言うかたちで洋一郎の病歴が明かされる。
帰りのバスで凰介は真相に辿り着き、亜紀を誘って夜に恵が自殺した病院の屋上へ。
凰介の幻想の正解が導かれ、恵の死が自殺ではなく心中だった事、亜紀を凌辱した張本人が明かされる。
洋一郎に呼出された田地が屋上に現れ、亜紀に突き落とされ、洋一郎がとどめを。


■6月10日(土)
逮捕もされず竹内の診断で『治癒』した洋一郎が退院。
水城家と4人で田地と恵の墓参り。種明かしに辿り着いた凰介から締めの一言。


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