折れた竜骨

米澤穂信・東京創元社

米澤穂信に、剣と魔法。好きなものの組み合わせは、さぞや楽しい1冊だろう。
なかなか図書館でも巡り会えなかったが、ようやく見つけた時は嬉々として借りてきた。
しかし「ロードス島戦記」や「アルスラーン戦記」で育った私だが、なかなか世界観が戻ってこない。
文庫でもないため携行できず、仕事の移動中に読み進める訳にもいかず、けっこう苦戦して読了。

ファンタジーよりも、ミステリを前面に打ち出して、理詰めで犯人を追い詰める。
ミステリの基本として、犯人は序盤からの登場人物。アミーナか! としたり顔で読み進めたけどハズレ。
オチは微妙だなぁ。悪くは無いけど。

中世ヨーロッパの多民族性などの描写が、単なるファンタジー小説よりも読み応えあったと思う。
ファンタジーなんだけど、米澤穂信流のリアリティかな。
図書館の返却日ギリギリまで読んでたので、散りばめた伏線などを拾うための再読には至らなかった。
ドラマ化や映画化されると良いのにな。せめて文庫化されたら購入しようか。

(12/04/14)


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