サウスバウンド

奥田英朗・角川文庫

トヨエツ主演の映画の番宣のイメージが何と無く残っていた。
南の島の話だと思っていたので、そこに至る1部を読んでる時には違和感があったが、
これがまた良い話。1部だけでも満足できるくらい。
全編通じて、いろんなエピソードがバランス良く詰まっている。
友情、恋心、思慕と失望と和解、対決、家出、闘争、過去、帰還、ユイマール、新たなヒロイン…

学生時分に政治学を専攻しており、考えれば考えるほど夜警国家から進めなかったことを思い出した。
イチルーさんは更に過激だけど。

子は親を選べない。
たとえ血が繋がってなくても、やっぱり子は親に似るんだよね。
家族は社会の最小単位である。
そんな裏テーマを感じさせつつ、読み物としても満足のいく1冊。

その内、映画版も見てみよう。
四谷でスペアリブをがっつくシーンがどう描かれるか興味深い。
あの「やってしまった」って演技が上手くできるかな?

(10/05/09)


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