■現実■

恩田陸が「中庭の出来事」を書き、読者である私がそれを読む。
そこに「中庭の出来事」の登場人物である巴たちが飛び出して語りかける。

■■「中庭の出来事」の中の世界■■

細渕晃が、噴水の前で死んだ女性や中庭で死んだ平賀芳子から着想を得て、脚本を書く。
楠巴はそれを評価する。噴水の前で死んだ女性についてもとある見解を述べる。
平賀芳子の死についても細渕らと語り合う。
平賀と甲斐崎は「何がジェーンに起こったか?」の役どころについて議論していたと言う。

■■■細渕が書いた脚本の中の世界■■■

神谷華生という脚本家は、「告白」の制作発表会のパーティ会場である中庭で、衆人環視の下で死ぬ。
神谷の死をめぐって、平賀と甲斐崎は中庭で議論している最中、平賀が死んだと思われる。
平賀の腹違いの弟である脚本家と、平賀に虐められ劇団を辞めて就職活動中に事故死した女の子の兄(昌夫)が、霧の劇場を目指す。
霧の劇場で二人の前で「告白」が演じられる。

■■■■神谷が書いた「告白」の中の世界■■■■

神谷華生は再婚した河野百合子といさかいになり、呆気なく事故死する。
神谷から創作活動の愚痴をこぼされていた親しい三人の女優は、神谷の事故死を許せない。
槙亜希子・甲斐崎圭子・平賀芳子は共謀し、愛した神谷の死のきっかけとなった河野のアリバイを偽証し
首に痣のある男の殺害をミスリードする。
この世界では、平賀の義理の弟は脊椎カリエスで死んでしまう。


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