電車の中吊り広告で日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞の トリプル受賞作と言う事で読んで見ることにしました。
この作家の本を読むのは初めてだったのですが、 さすが日本推理作家協会賞の受賞作だけはある。 すごくミスリードが上手いですね。
ちょっぴりネタバレですけど、オセアニア便が墜ちた時も てっきり助かったのは645だと思うじゃないですか。
田所がやられちゃうシーンも、一言も如月の描写は無いんですよね。 唯一田所が「如月」って言って追っていくだけ。
しかしこれだけ容赦無く登場人物を殺す事が出来るのは、他には田中芳樹くらいしかいないのでは?
犠牲の上に成り立つ正義。それだけに正義の空しさを風間に語らせたんでしょうね。
まんまとやられました。 如月のシロの話しだって、てっきり「北」だと思うじゃないですか。
それがダイスなんだもんな。
序章で、宮津とヨンファが接触を持ったであろう事は推測できるのですが まさか217ページの邂逅が伏線だったとは。
それに387ページの「人で無くなってしまう」が、後でキーワードになってくるなんてね。
映画化されませんかね、この作品。 如月は原田龍二、田所は的場浩司、風間は山口祐一郎、などなど。
映画化されましたね。2時間で収めるには仕方ないとは言え、田所がチョイ役なのは残念。
ああしてみると、嘉手納ディストラクション(だっけ?)に比べてGUSWO(だっけ?)の処理が東京湾で片付くのは
どうなんだろうね。原作もあんな感じだったっけ?いずれにせよ、政権はぶっ飛ぶような事件だよね。
ユンファらの部下もあっけなく自決したり、彼らの行動の背景が軽すぎるような気もするね。
これは原作の勝ちかな。