これも長い事、気になっていた1冊。
雑誌連載の短編を単行本化にあたって、順序など入れ替えしたみたい。
私は連載6作目の「スクラップ・ロード」が一番好きかな。
最初はやや取っ付きにくかった。女性心理の透明さ加減に共感を覚えず、手探りで読み進める。
別れの物語。別れと言えば、私にとっては村上春樹なのだが、村上春樹ほどの陰鬱さは無い。
作者の仕掛けた本来の意味を汲み取る事ができていないのかもしれないけれど、
何かこう不思議な世界観に浸かる事はできた。
これは恋愛小説というカテゴリーに属するのだろうか。
だとすると、恋愛小説を愉しむのに十分な恋愛経験を積んできていないという証左なのかもしれない。
何となく、有川浩の「阪急電車」を読み比べてみたくなった。
タイトルからの連想でしかないんだけどね。