ターミナルタウン

三崎亜記・文藝春秋

「コロヨシ!」も、「となり町戦争」も、「失われた明日」も、架空の世界を描ききる三崎ワールドは健在。
“下り451列車消失事件”は、確か前に読んだ作品でもカメオ出現していた気がする。嫌いじゃないんだよ。
“歩行技師”は作品間の中では随分と幅を利かせているしね。
八州というのは東州、北州、北端連合州に、“西州時報”てのがあったから西州もあるんだろう。
この州のパワーバランスが下知識として不足しているのがもどかしいのだ。
三崎亜記ガイドブックとかあれば買っちゃいそうだよ。

トンネルや、町の再開発など、没個性的な大量生産へのアンチテーゼの一面はあるのだろう。

元町長が散り、丸川も、牧人と理沙も旅立った。駅長と修介は町に残り、響一は家族を迎え入れた。
またこの駅には新しい一日が訪れて、ここから新しい物語が始まるんだね。

この厚さに見合うだけの面白みはあった。満足の一冊。

(14/5/24)


茶色い本棚(国内作家)へ戻る

私の本棚へ戻る

タイトルへ戻る