安武氏からのお薦めで読んでみる事にした。
初めて読む作家の作品って、ちょっとワクワクする。
「あなたがここにいて欲しい」と「僕の好きな人が、よく眠れますように」の2つを図書館で借りてきて
刊行順でこっちから読んでみる事に。3つの短編から成ってるんだね。
なるほど、色で言えば白。普段読んでるミステリとは異なる、ストレートな恋愛小説。
手探りで不器用な羞恥心。それを上回る真っ当な恋愛感情。心に染み入るね。
○あなたがここにいて欲しい
吉田君と舞子さんの恋も、又野君の成長振りも眩しい。
結局は今に満足できずに何かを変えたいならば自分から働きかける以外にないのだ。
次のフレーズが、ちょっと痛かった。
慎重に、油断せず、安全な位置で、安全な発言を繰り返してきただけだった。
私にとってのゾウは何だろう。
○男子五編
世界三大美徳ねぇ。
私も周りの目が気になるタイプだからな。『礼儀』『仲良し』に続く3つ目の美徳って何だろう。
ちょうどこれで一周したのだ。
自分が変わらなきゃ、何周走り続けても見える景色は一向に変わらない。
変化に伴い失ってしまうかもしれないモノ。
それがもたらす痛みを過剰に恐れ、籠から出られない。
“アマチュアである事のプロフェッショナル”に甘んじてはいけない。
痛みからの立ち直り方こそが強さの根源だとすれば、自分自身のみならず守るべきモノのためにも強くならなくては。
○ハミングライフ
ウロレターは、恩田陸だったら「ユージニア」になっちゃうんだろうな、とか思ったりして。
こんなドラマの様な事って、あるかいね。
直接じゃなく、少し間を空けた関係。それが継続した時間が育むモノ。
今、そんなゆとりがなかなか持てないからね。
近すぎず、遠すぎず。携帯メールじゃ便利すぎちゃう。アナログ万歳。