午前三時のルースター

垣根涼介・文春文庫

先輩がハマッているのか、短期間で4冊目の垣根涼介を借りる。これがデビュー作みたいだね。
この人、ホントに車が好きなんだな。どの本にもかなりマニアックな描写が出てくる。
好きな人は、そこでも盛上るんだろう。私にはサッパリ。そう言えば貸してくれてる先輩は車好きだ。

デビュー作だからか、恩田ワールドの曲者と比べるからか、登場人物たちは割合まとも。
源内本人にはちょっと厳しい特異なキャラ設定ではあったけど、長瀬にとっては便利な味方キャラだった。
元TV局勤務で黒帯の有段者。係累もいないので無茶な冒険劇に帯同してくれる。これは便利。
その分ビエンやメイがもうちょっと食わせ物だったりしても良かったと思う。あまりに素直な協力者だったのでね。
逆にジュエリー・ナカニシの社長が一枚噛んでいたとは。そっちは迂闊だった。

全体的に青臭いヒロイック物である感は否めないけれど、まずまずかな。
ベトナムに行ってからは登場人物の整理に頭がついていかなかったので、一旦勢力図を書きまとめてみたりした。
慎一郎の父親が目を付けたと言う、古物・骨董の価値が今ひとつピンとこないけれど一攫千金のタネなんだろうね。
しかし400万の腕時計を投げるか。青いね。見せ場としては秀逸かもしれないけど、勿体無い!

(09/09/13)


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