ユリゴコロ

沼田まほかる・双葉社

読みたかった1冊を図書館でようやく見つけたは良かったが、こう言う時に限って4冊も読みたい本が見つかる。
全て借りて来たけど、さて読めるかな。

最初に読んだのがコレ。
沼田ワールドの陰惨さは、どことなく底流にはあるけれど、ラストも纏まりが良く読後感もサッパリ。
殺人を告白している手記、恋人の失踪、入れ替わった二人の母、親切すぎるスタッフさん、と謎は尽きない。
最後までハラハラ感が持続して、とても良かった。
美紗子の過去の凶行が野放しなのは少しいただけないけれど、不条理さは少なく完成度は高かったと思う。

ややネタバレになるけれど、細谷さんは相当怪しかった。
途中まではかなり疑ってかかった。塩見の存在も細谷さんの口から語られるのみなので虚像なのかと思ったんだけどね。

ユリゴコロ、という架空の設定は、こないだ読んだ村田沙耶香のカゾクヨナニーと言う設定に通じるモノを感じた。
こういう作品はやはり女性視点の賜物なのだろうか。

ともかく、満足度の高い1冊でした。

(13/02/21)


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