統計学をまる裸にする

チャールズ・ウィーラン・日本経済新聞出版社

前作に続いて読んだはずだが、このページを起こす事になったのは実に4年近くの歳月が流れてしまった。
今再び、仕事で数学や統計を使う事が多くなって、ふと振り返って再読。
改めて面白い。ユーモアたっぷり。数学、方程式、グラフあまりなし。という帯の文句は誇張ではなく、読み物として楽しい。
「モンティ・ホール問題」は、そのまま「光秀の定理」につながる。
私が、これまでに楽しいと思うものの底流は一緒なのかもしれない。

統計の罠は、99%の確立で何かを確からしいと教えてくれても、やはり1%の誤謬が残っている、そこにこそある。
統計は結果論でしかなくて、さも未来を予言したかのように後からしたり顔で語っているだけなのかもしれない。
99回の過去は右だったかもしれないけど、次の将来の1回は左かもしれない。
そして100%外れる占いは、100%当たる占いと同じだけの価値がある。

昨年50年に1度の大型台風が上陸したからといって、むこう49年は到来しないとは言えない。
今年になって、また50分の1の確率で大型台風がやってくる。2年連続で訪れるのは250分の1と言うだけのハナシ。
統計が未来を決めるなんてことは無いが、判断に迷う時に人は便を求める。

(18/06/30)


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