実は、私が政治学科をめざす気になったのは、この本を読んでからなんです。
私は単純な人間なので、
ヤンやラインハルトの語る民主主義、専制主義の
一長一短に感じ入り、政治体制に興味を持ちました。
高校の時から世界史が好きで、歴史にはもとから興味があったのだけど
そこに政治が加わると、
更に奥が深くなりますからね。
銀英伝のように対立する二つ(もしくはそれ以上)の陣営にそれぞれ正義があるって話は奥が深くて好きだな。
逆に言えば正義なんてそんなもんだって事。
ヤンの言うとおり「金のために」ってのは、
金という万人に共通する価値を志向するのに対して
「正義のために」ってのはその人の価値観でしかないもんな。
銀英伝の中で一番気に入っているのはロイエンタール。
気骨のある軍人ですよ、彼は。
ラインハルトとの差を感じつつも、最終的には2番手で甘んじる事の
出来なかった野心家。と同時に、友のために命を懸ける事の出来る男。
将帥としての能力、行政手腕、射撃等に見られる戦士としての実力・・
何一つ欠点が無いようにみえるが、漁色家という一面も持つ。
田中芳樹のキャラクターの設定には脱帽しますね。
田中芳樹はキャラクター作りに当たってこんな事を言ってます。
「仮に主人公が100発殴られたとする。
考えられる反応としては、100発殴りかえすか、まったく殴らないかである。
しかし、これでは詰まらない。
私の作りたいキャラクターは99発殴るか、あるいは101発殴る、
そんなキャラクターだ。」
ある本で読んだ事なので、詳細は違っているかもしれませんが、
実に味のあるコメントだと思いませんか?
余談にそれてしまいました。
銀英伝ですが、皆さんはどの辺りが一番の山場だと感じるのでしょうか?
やはり、ヤンの暗殺あたりですか?
キルヒアイスの死も初期の山ですね。
ラインハルトの戴冠も重要ですし、ビッテンフェルトとオーベルシュタインの
乱闘(取っ組み合い?)も見物ですな。
私は、ロイエンタールのファンとして、双璧の戦いを一番の山に持ってきます。
帝国の内戦なので、同盟には申し訳ないのですが・・
「遅いじゃないか、ミッターマイヤー」には涙ものですよ。まったく。
グリルパルツァーの背信はまったく持って許せませんが、それも
田中作品のリアリズムですかね。
ロイエンタールがあそこで勝利するという想像はできないものな。
ロイエンタールにばかり話が偏ってしまいましたが、
帝国では他にも、メックリンガー、ケスラーらがお気に入りです。
ただし、パソコンゲームなどでは、両人は艦隊戦闘能力が低めなのがねぇ。
行政処理能力っていまいちゲームには反映しにくいし。
同盟ではアッテンボローかな。ジャーナリスティックな革命家という
キャラ設定がまた良い!
他にも、同盟には皮肉家が大勢いますよね。彼らの会話を聞く(読む)のが
同盟での真骨頂ではないでしょうか?
しかし、民主主義って難しいものですね。市民の自律・自制・自省に
かかっているんですね!
銀英伝の魅力についてさっぱり紹介できてないのですが、
とりあえずこの辺でつぶやきは終わります。
また、思い出したら書き足しますね。