ハイダウェイ

D.R.クーンツ・文春文庫

これは映画もみました。
原作はヴァサゴの居城や、精神世界と言うべきか死後の描写が特徴的ですが、
映画ではやはり、その辺を上手く表せてなかったね。
やはりどんなに映像技術が優れても、活字の良さが無くなる訳では無いですからね。
活字フリークとしては、ほっとしますよ。

話のストーリーとしては、クーンツにありがちだと思う。
善と悪の対立みたいな二元論ですよ。クーンツはハッピーエンドだから安心して
読んでられるんだけどさ。

クーンツも行き過ぎた技術と言うものに対して警鐘を鳴らしているのでしょうか?
今回は緊急蘇生プロジェクトが登場します。
ある人物を蘇生させた結果、事件が起こる訳ですが、実際このような技術を
人間が手にしたとして、導入は難しい問題ですよね。
誰が、どんな人間を蘇生させるのか?
極悪非道な犯罪者であっても、蘇生の可能性があれば手術するべきなのでしょうか?

しかし、クーンツは必ずしも反対しているのでもないのでしょうね。
確かにヴァサゴを「悪」側のキャラとして設定しつつ、
同じ蘇生プロジェクトによって「こちらの世界」に返ってきた
ハッチを対局におき、ヴァサゴから愛する人を守るのですから。

映画ではレジーナはまったく別のキャラクターになっていました。
レジーナの問題をいれると、2時間で収まらないものね。
ただ、原作ではレジーナとハリソン夫妻のやり取りって
読んでてハラハラするし、大丈夫かな? なんて読みがいのある部分なので
残念でした。

映画のハッチを演じていたのはゴールドブラムでしょうか?
いつも渋いよね。

(97/10/08)


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