天使と悪魔

ダン・ブラウン・角川書店

「ダヴィンチ・コード」第2弾。ところが、原作はこちらが先だった模様。
前作よりは分かり易いと言うのが、映画評の様。
前作は映画のみ、こちらは原作を読んだばかりで映画を見てないので私はまだ比較できないけど、
上中下の3巻をすんなりテンポ良く楽しめたのは事実。
宗教や美術についての謎解きに共感できるほど知識は伴わないけれど、
かつて訪れた事のあるローマの名所に思いを馳せながら読み進めた。

推理小説、あるいはミステリとして読んでいると、登場人物の中に真犯人がいる訳だから
いろいろ考えながら読んだのだが、あまり当たらず。
セルンの反物質が格納されていた貯蔵庫が網膜スキャンである事を知っていたのは被害者とヴィットリアしかいないのだから、
最初はヴィットリアを疑ってみた。眼球を奪う指示を出したのは彼女じゃないかと。でも彼女はヒロインだもんな。
手がかりとなる『図表』の保管場所に入ることができる者が犯人だとすれば、教皇侍従が怪しいか。いや、あのイタリア人の枢機卿か。

クライマックスが近付きカメルレンゴとコーラーが対峙するシーンも、コーラーから“実はもう一つ存在した反物質”を受け取って
カメルレンゴが対消滅を起こさせるつもりなのかと想像したけど、これが大ハズレ。いったい本当の敵は誰なんだ?
カメルレンゴが前教皇への憎悪をむき出しにした場面も、てっきり前教皇が試験管ベビーなのかと思ったら、そっちじゃなかった。

いろいろご都合主義な部分もあるけれど、総じて面白かったから良し。
得てしてハリウッド・ヒーローは無敵なんだよね。
映画でもどのくらいトム・ハンクスがこき使われるのか見てみるとするかな。

(09/05/24)

■映画版を見て
テレビでやってるのを見る事ができた。
原作の細かい粗筋は覚えてなかったけど、教皇侍従が悪者だったってのは覚えてた。
これは映像の方が分かり易さも多いだろう。
でも暗殺者を雇った背景とか、“反物質”を盗み出せてしまうセキュリティの甘さとか、
カメルレンゴがヘリからパラシュートで生還できちゃうとことか、ツッコミどころも多いんだけど
まぁ、面白かったから良し。
トム・ハンクスは見事にこき使われてました。ま、映画版はラストにボーナスもあったのでそれまた良し。

(11/04/10)


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