#8 Flavor Of Life
宇多田ヒカル 2007 春

「ニヤけてるよ」

私の2007年のカレンダーには、間違いなく春があった。例え束の間であったとしても。 浮かれポンチだった季節に背中を押してくれたり、悶々とする気分を支えてくれたのがこの曲だった。 それが宇多田夫妻の離婚ソングであったとは露知らず。

2007年の初詣のおみくじで三角関係に気を付ける様にお告げを頂く。 この時、私が想像したのは私を頂点として2人の女性が存在する二等辺三角形。 驕慢にも、私の二股を戒めているのだと解釈したのだね。 ところが事実はどうだか分からないけど、両天秤にかけられる側にいても三角関係は成立する訳だ。

恋愛はゴールキーパーの様なもの。 得点を挙げることが出来ない以上は、失点をしたら負けなんだ。 一つのミスも許されない。 しかし恋愛に安堵を求めたい場合はどうすれば良いのだろう。 努力を怠る事なかれ、か。

淡くほろ苦いのは、もういいよ。 「ありがとう」だけじゃない答えが欲しかったのだけど。 歌詞の一つ一つに笑ってしまえるくらい反応できてしまう。 離婚を発表する直前、Mステに宇多田ヒカルが出演して意味深な発言をしていたのを思い出す。 人生とは、淡くほろ苦いテイストが良い。そう、それはピーマンの天ぷらの様なものである。 けだし名言。

曲自体もオリジナルバージョン、バラードバージョン、いずれも完成度が高いと思う。 ドラマ主題歌がバラードバージョンなので渋谷センター街などでよく耳にしたのはそちらなのだけど、 アップテンポのオリジナルバージョンの方がメロウ過ぎず、あっけらかんと振り返る感じが良いね。 バラードバージョンはサビの合間のピアノの合いの手がgoodですな。

次の宇多田ヒカルの新曲が発売になった夏に、 少しばかり色褪せた過去を思い出し、また心のアルバムを閉じるのでした。

(07/08/28)


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