#1 innocent world
Mr.CHILDREN1994 夏

大学生活。それは男子校出身の私にとっては、なかなかに刺激的な生活の始まりでした。 私は高校と同じく吹奏楽サークルに所属したのですが 「おお、女の子がフルート吹いてる。そりゃそうだよな」と、 当り前のことに一喜一憂。缶ジュースの回し飲みとかドキドキしたなぁ。 まったく今考えるとえらい恥ずかしい大学生でした。

高校の時は特にカラオケなども行かず、歌番組も特にチェックせず 音楽といえばひたすらNHK-FM「ミュージック・スクエア」を聞いてました。 特に火曜日の谷村有美の「とっておき Tuesday」ですね。

そんな訳で大学入りたての頃、よく新入生同志でいくカラオケが苦手でした。 そもそも大学が遠くて帰り時間を気にしていた時期でもあったし。 サークルの練習帰りなど、下宿してる友人らの誘いを断り独りで帰ったりもしてましたね。 今振り返るとなかなか笑っちゃいますね。

それでも、夏くらいになると徐々にカラオケにも顔だしたりね。 渋谷で一年生だけでコンパやった後にカラオケとか、いつものパターンでした。

そしてある日、サークルの練習場でとある女の子から 「松岡クンさぁ、ミスチルのアルバム買わない?」 と言われた私はまだミスチルが Mr.CHILDREN の略称と知りませんでした。 『ミスチル?また新しいバンドか?ルナシーみたいな、お化粧系かなぁ? 一体なに歌ってんだ?』 と思いつつ、口では「え、いや、いいよ」とか答えて 「もう持ってんの?じゃ、仕方ないな。買ったけどシングル曲以外は要らないんだよね」 とかその場の会話を終わらせた記憶があります。

そんな私も今では、おかしいと言われるくらい音楽番組チェックを怠らず、 カラオケも誘われればほいほい付いてくようになり、夜を徹したことも数知れず。

そしてカラオケボックスの中から「innocent world」が流れる度に 私はかつての自分とその女の子を思いだし苦笑するのです。


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