横浜F・マリノス贔屓のサッカー観戦記

私が初めてグラウンドに足を運びサッカーを見たのは小学生のころ。 まだ九州にいました。実業団リーグのヤマハvs全日空を家族で見にいった記憶があります。 その当時の選手名鑑がついこの間までは本棚にあった気がしたんですが、どうにも 見つからないんですよね。惜しいことしたなぁ。

時は流れ、国内プロリーグ「Jリーグ」発足。 木村和司のいるマリノスは日産時代からのお気に入りチームで Jリーグ発足時より応援してましたが、98年からは機会があって グラウンドへ足を運ぶ回数が増えました。 ここでは主に生で観戦した試合を中心に感想などを書き綴っていきます。 _


2019 J1リーグ 第34節

2019年12月07日 横浜スタジアム
横浜F・マリノス (3−0) FC東京
満足度:◎

この試合は観戦した訳では無く、テレビで時折チェックしつつ息子をあやしていた。 4点差の敗戦でなければ優勝が確定するという、絶対的優位な展開で1位・2位の直接対決。 Jリーグ規約64条で、不可抗力で試合実施できない場合でも0-3敗戦扱いなので、ゲーム理論の教科書などなら優勝確定。 営業面で、そんな選択肢にはならないし、何より今のマリノスなら仇敵に負ける気もしない。 恐れる気持ちは微塵も無く、最終節を完勝で締めくくってくれた。 GKパギの退場は、03年のエノテツを彷彿とさせる。下げられるのがマルコスと言うのは意外だったけど、エリキ、マテウス、仲川を残す辺りが ポステコグルー監督の所以か。その後、仲川にはゴールが生まれず、得点王はマルコスと仲川が共に15GでW受賞。 マリノスから得点王を輩出するのは開幕93年のラモン・ディアス以来。仲川はMVPも併せて獲得。 それにしても今年のマリノスは開幕から最終節で何人の選手が入れ替わっただろう。 10番の天野を始め、飯倉、三好、イッペイ・シノヅカなどが去り、エリキ、マテウス、中林、和田らがレンタル加入した。 これもMCGに与したお陰なのか、とにかく編成面を含むチーム運営の勝利といったシーズンだった。 栗原の引退、通算450勝、いろんな節目を4度目の優勝という結果で通過し、また新しい歴史に臨んでいくのだ。 今回は、優勝記念ということで03年の優勝決定プレイバックをお届けします。


2003Jリーグ 2ndステージ 最終節

2003年11月29日 横浜国際総合競技場

横浜F・マリノス (2−1) ジュビロ磐田

満足度:◎

何が起こるか分からないのがサッカー。 まさにそんな展開だった2ndステージ最終節。 本当にドラマチックな展開で、結果は横浜F・マリノスの 完全優勝という最上の結果を目の当たりにしてきました。

ホームアドバンテージは少なからずあったでしょう。 磐田ファンも多く集まっていたが、マリノス側ゴール裏は 2階席までびっしりと埋め尽くされ、怒涛の雄叫びをあげてました。

それだけに、あまりにも早過ぎる失点と、 あまりにも軽率なエノテツの退場シーンには 非難の声も。

最初の決定機を逃さないしたたかさは流石ジュビロ。 エノテツもどうしたって言うのか? ゴールキックに当られて、あわや追加点かっていうヒヤリとしたのを 逆恨みした?何もエリア外まで追っかけて倒す事もなかっただろうに。 会場の空気を勘違いしたか?確かに瞬間的にグラウを責める マリノスサポーターの煽りがあったのだけど、それを変な追い風に感じたのかね。

ともかく開始15分でこれ以上悪い事は無いだろうと言う展開に。 ただ、幸か不幸か2ndステージ終盤で退場者を続出したマリノスは 10人で戦う事に慣れていた様な気がします。 とばっちりでピッチを去る事になった由紀彦には気の毒だけれど。 てっきり遠藤が下げられるかと思ったのです。 私は「8」AKIHIROの黒ユニで観戦していたので、遠藤の行方を心配して 見ていたら、岡ちゃんが選んだのは由紀彦でしたね。

結果的には、この退場直後の不安定な時間帯を 無失点で耐えたのが大きかった。ジュビロはまたしても 華麗なパスワークに徹して自滅したと言うのが私の見解。 かなりゴール前まで寄られたケースがあったけど、 手数が多すぎたね。今期初(だよね)のトップリーグ出場となる下川もよく頑張った。

前半からマリノスも時折カウンターから、チャンスは作ってました。 互角とは言わないけど、4:6くらいで応戦はしていた。 マルキーニョスがスペースに飛び出す、久保がターゲットになる、 最後の詰めは甘かったけれど、決定機を作り続ければ得点の予感はありました。 結果論だけど、前半の久保のポストに当ったシュートが入っていたら むしろ苛烈なジュビロの逆襲に耐えかねたかもしれないよ。

でも前半終了後にメインスクリーンには鹿島2点リードの表示。 うーん、この勝負に勝利しても鹿島が勝つと優勝は鹿島なんだよね。 川崎フロンターレの気持ちが痛いほど分かるぞ。

ハーフタイムで岡ちゃんに何と言われたのかは分からない。これ以上は退場してくれるな、なんて言われたかな? 後半開始直後のFKが流れたものの田中に当ってラインを割って得たCK。 そこから久保のヘッドを止められながら、マルキーニョスが飛びついた。 良い時間帯だったよ。追い掛けるマリノスに、サポーターも押せ押せムード。 サッカーの定石、早すぎる先制は良くない。試合開始と試合終了の5分間が肝。 正に今日の試合は、その通りの展開でした。

遠藤は途中で上野と交替。傷んだ訳でもなさそうだったけどね。 大歓声で迎えられた上野。ゲーム開始前も上野のコールは気持ち 声が大きかったもの。 3枚目のカードも河合に替えて大橋投入で押せ押せムードを煽る岡ちゃん。

最後の最後までサポーターもイレブン・・・じゃなかったテン?も諦めなかった。 試合終了間際に山西が傷んで、時間を消費しようとすれば マリノスサポーター大ブーイング。 これだけで得た訳じゃないだろうけど、ロスタイム3分あればドラマには十分だった。 流石に大雨の中90分戦い、優勝に手のかかっていたジュビロが 球際にルーズになっていたと思う。ミスもあったし。

その瞬間も、松田からの苦し紛れのループパスに山西の寄せが中途半端だったのを 久保が食らいつく。カッコ良くはなかったかもしれない。 華麗ではなかったかもしれない。 しかし、その弾道は美しくマリノスサポーター眼前でジュビロゴールの サイドネットに吸い込まれた。 期待していたとは言え、マリノスサポーターも何か苦笑いの展開。 いやぁ、本当にこんな事があるとは。チャンスを数多く作って、 じわじわとにじり寄って、このヘディングに繋がった気がします。 結局15試合戦いぬいて、このヘディングが全てだった訳だなぁ。 GK山本は崩れ落ちたよ。 そりゃそうだろう。ほぼ間違いなく手に入れたはずの優勝が 土壇場で漏れていったんだから。

松田が人一倍喜んでました。 久保でさえ、マリノス陣へ戻ったと言うのに、まだジュビロ陣内で サポーターに応えていたっけ。 エノテツの退場で冷静になったのか、セットプレイでも上がらずにグラウをケアしていたが 終盤はどうしてもサイドから攻撃に絡み、ついに勝利に繋がるラストパスを出したね。

残りの時間もドゥトラが傷んで時間もしっかり使い、試合終了のフエ。 とりあえず目の前で優勝されるという屈辱からは解放され、 チャンピオンシップに向けて良い流れだと思ったら、 メインスクリーンに浦和−鹿島戦の映像が。 トニーニョ・セレーゾが、小笠原が、大岩が悲壮な表情をしている。 え?まさか。 曾ヶ畠が呆然としている、秋田は達観した表情を浮かべている。 スコアは2−2!

こんな事があるのか。 奇蹟は2度起きる。 浦和もホームアドバンテージを活かしてエメルソンがロスタイムに執念のゴール。 表示は既に後半47分。 小笠原が必死で吼えるが、このまま試合終了のフエ。 うーん、00年1stステージも川崎フロンターレのVゴールが C大阪ゴールに吸い込まれて優勝が舞い込んだ。 今年も棚ボタ優勝の感は否めないけれど、勝率は非常に悪いけれど、 それでも優勝は優勝だ。 チャンピオンシップをやらなくて良いと言うのは本当にありがたい。

実に8年ぶりのJリーグチャンピオン。 岡ちゃんも久保も1年目で出来すぎじゃない? まだまだ常勝チームには程遠いのに、完全優勝を成し遂げちゃうと 来年のモチベーションが気がかりではあるが、やっぱり優勝出来るチャンスには 優勝しないとね。うんうん。 完全優勝の瞬間に立ち会える幸せ。正直言って望外だっただけに、喜びもひとしお。 最終節を首位で迎えていたら、こう言う戦い方は出来なかったかもしれない。 あのジュビロを10人で逆転勝ちしたんだから、決して悪い優勝じゃないよ。

やる事はやったよ。 後はチャンピオンシップも無い事だし、東アジア選手権で大暴れしようじゃないの。 少なくともFW久保は結果を出したよ。 これまでもどちらかと言うと自身のケガで大舞台と縁が無かったけれど、 もう良いだろう。ゾルダーの鈴木?ハンブルガーの高原?サンプドリアの柳沢? 日本の久保がいるぞ!ジーコ。 大久保じゃない、久保だからな。

岡ちゃんは言ってくれた。 選手は今日、大輪の花を咲かせたと。 そしてその花を支えた枝や幹はスタッフや関係者で、 見えない根っこでボランティアがチームを支えたと。 そしてその木を立たせている大地がサポーターだと。 豊かな土壌であろう。 これからも我がチームを応援し続けよう。 マリノス万歳!


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