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高レベル放射性廃棄物の地層処分計画 |
高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の処分については、300mより深い地中に埋め捨てする「地層処分」が計画されています。手続を定めた「特定放射性廃棄物の最終処分のための法律」が2000年6月に策定され、実施主体である認可法人「原子力発電環境整備機構(NUMO)」が同10月に設立されました。

地下深くに埋めることでなるべく人間の生活環境から遠ざけ、オーバーパックや緩衝材という障害物を設けることでなるべく放射能が漏れ出てくるまでの時間稼ぎをしようというのが基本的な考え方です。うまくいけば、仮に人間の生活環境にまで到達したとしても、その頃には放射能が十分に減少しているであろうと期待されています。そうなるように必要な深度や人工バリアの設計がなされるというふうに説明されています。
確かにすべて想定内で済めばそれに越したことはありません。しかし一方で、科学技術は万能でないという現実も踏まえなければなりません。アメリカ航空宇宙局(NASA)の技術者たちはスペースシャトルチャレンジャー号の爆発墜落(1986)や同コロンビア号の空中分解(2003)を決して望んだわけではないのです。ガラス固化体には何十万年にも及ぶ半減期をもった放射能が含まれています。得られている知見に基づいて十分な余裕をもたせて設計するから絶対に大丈夫だという関係者らの見解はいささか不遜であるように思えます。
直近の問題として、50年間といわれる操業の期間に注目しましょう。4万本のガラス固化体を埋設するということは、年間800本ものガラス固化体が処分地に運び込まれるということです。そのひとつひとつに広島原爆30発分の「死の灰」が詰め込まれています。生活空間にもっとも近づくこの期間に起こる事故はその影響がより一層心配されます。

危険な核廃棄物の処分場を好んで受け入れる自治体はありません。これは基地問題にも共通します。NUMOはこれまで各地であった基地や原発の反対運動の教訓から、強権的に処分場を決定するのではなく、公募によって自主的に処分場を受け入れてくれる自治体を募集しています。一見公平にも見えますが、多額の交付金(年間5億円以上!)をチラつかせて、財政難に苦しむ自治体が転ぶのを待っているという方が実情にあっているかもしれません。買春する側の責任を覆い隠し、すべて売春する側の責任にしてしまおうという構図にも見えます。大多数の国民が傍観していてもいいものでしょうか。
処分場の選定は上のように段階的に絞り込んでいくとされています。概要調査地区は「処分候補地」であり、精密調査地区は「処分予定地」であると表現した方がリアルかもしれません。次の段階に進む際には地域の意見が「尊重される」という建て前になっているので、イヤになった段階で拒否することができるから、お気軽に応募して下さいというポーズがとられています。しかし、これは甘い罠です。一度応募してしまった場合には拒否できなくなる可能性もあります。
2000年5月10日 衆議院商工委員会での質疑から |