年下の子


直接、知り合ったのはTetsuの上司である人で、その人の事はまた別の話。
その人が連れてきたのがTetsuでTetsuが連れてきたのがその子だった。
だから、初対面の時は3人だった。その子はあまりしつけがなってなくて、
といっても本当に私に言われるくらいだから、相当なものだ。
気持ちいいくらい愛想がない子だった。
次に会ったのは私がTetsuを海に連れてってあげる時ついてきた。
他にも1人ついてきてて、その時も何もしゃべらない愛想のない子だった。
3度目に会った時、始めて口を聞いたくらいだ。
海の帰り、その子の家で休んでいく事になった。
大きな家だった。その子の母親はとても感じのいい人ででしゃばらず、でも愛想のいい、
そして、顔立ちがとてもきれいな人だった。
その子は働く事をあまり知らないようだった。
定職をもたず、アルバイトも長続きせず。
その子の弟は一流の大学目指して勉強中だった。あの、感じのいい母親はその弟に掛かりっきりなのだ。
その子はそれでも、ひねてるわけじゃなくて、ただ、愛想がないだけの子だった。
私とその子は一つの遊びに夢中になった。
私の吸ってる煙草から、火の付いてないその子の煙草に火をつけるという、くだらない遊び。
ちょっとキスに似てるしぐさがとても気に入って、私達は夢中になった。
私は21。彼は16の時。 Tetsuはそれを横目で見てあせってた。3人という単位が崩れるのをあせって心配してた。
私はTetsuがあせるので、よけい面白くて、例の遊びを繰り返した。
そのうち、当然なのだが、Tetsuは私達から距離を置くようになり、その子と私は恋人同士になった。

あっというまに、熱を冷ましてしまった私は、その子を簡単に突き放してしまった。
その子はこの世の終わりの様なラブレターを1通だけ送ってきたけど、私は無視した。
Tetsuはあれから、何年間かいい友達でいてたけど、その子はたった、3ヶ月の付き合いで終わってた。
後から思い起こせば。

menu