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"In the Garth of Shidoh"
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第3回 ゲスト:赤池章三
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祠 堂 の 中 庭 で |
![]() 章三「よ」 託生「ごめんね、忙しいところ」 章三「ギイは?」 託生「え? ギイ?」 章三「なんだ、葉山ひとりなのか」 託生「そうだよ。ぼくが司会進行役なんだもん。どうしてギイが出てくるんだよ」 章三「ふたりで一個、みたいなもんだろ、お前たち。葉山を見ると、つい、条件反射でギイを探しちまう」 託生「いいけどね……。えーと、質問がたくさんあるんだけど(手元のたくさんのハガキを覗き込み)まず、奈美子ちゃんのこと、本当のところ、どう思ってるんですかって」 章三「なんでそんなこと、葉山に応えなきゃならないんだ?」 託生「ぼくにじゃなくて、全国の赤池君ファンのために!」 章三「──なんだ、それ」 託生「冷たい目で見ないでよ。──いいよ、次に行くから」 章三「好きだよ」 託生「へ?」 章三「奈美子のことは、好きだよ。幼なじみだし、あいつ、世話好きだから、小さい頃からよく、面倒みてもらってたしな」 託生「そうなんだ」 章三「そうなんだよ。次、行けよ、次」 託生「はい。えー、長いですけど、読みます。『私、赤池光三様の後妻に入りたいと思ってますが、光三様、私を嫁にもらって頂けますでしょうか? 当方27歳、初婚。家事はパーフェクトにこなします。学会資料のデータのパソコンへの打ち込みetc……、秘書的なお手伝いもできますが、だめでしょうか? ちなみに章三くんから継母イビリされるのを夢≠ノしておりますので“障子の桟が汚れてますよ、朱美さん(お母さんとは呼んでもらえない)”とかイビって下さい』だって」 章三「あのオヤジにはもったいない」 託生「即答するね、赤池君。──あのさ、もし本当にママハハとかできたら、やっぱりイビったりするわけ?」 章三「やっぱりってのは何なんだよ。するわけないだろ」 託生「どうして?」 章三「そんなことして、せっかく、あの、赤ん坊より手のかかる親父の世話を、好き好んでやってくれる奇特な人を失くしたらどうするんだよ。一生僕に、アイツの面倒をみろと言うのか?」 託生「でも、赤池君がここにいる間は、お父さん、ひとりでちゃんとやってるんだろ?」 章三「そりゃ、そうだが」 託生「ね?」 章三「何が、ね? なんだ? 何が」 託生「赤池くんって、ギイと託生くんと一緒にいない時は、いったい誰と行動を共にしてるんですか、だって」 章三「いろいろ」 託生「うん、そうだよね」 章三「葉山じゃないんだから、僕にはたくさん、ともだちがいます」 託生「わーるかったよ。ともだちが少なくて。少数精鋭なんだから、放っといて欲しいな。──次の質問行きます。自慢の料理と、作れなかったり苦手な料理は何ですか?」 章三「自慢の料理は、主婦料理。冷蔵庫の中身を使った、ありあわせものだな。苦手なものは、というか、イマイチ、コツが掴めないのが、豆の煮物。ふっくら煮上げるのに、修行を要するって感じかな。総じて、日本料理の方がややこしい」 託生「専門的なお話をありがとうございました」 章三「葉山も、せめてカレーくらいは作れるようになれよ」 託生「赤池君、ひとり暮らしをする羽目になった時は、隣同士に住もうね!」 章三「なんだ、ソレハ……」 託生「えっと、最後の質問ですが、──……」 章三「どうした?」 託生「えっ? ううん、なんでもない。これで、終わりにします。赤池君、ご協力ありがとうございまし──あっ!」 章三「なになに? 『年中、託生くんをからかったりして遊んでいるけど、託生くんのことを、可愛いなあとか、友人としてではなく、好き≠ニいう感情は、一度も抱いたりしたことはないんですか? 本当のこと教えてよね!』だと?」 託生「いいよ、これは」 章三「逃げるな、葉山」 託生「だって……」 章三「よーし、正直に応えてやろう。僕は、葉山のことが大好きで、ギイなんかに独占されるのは、それはそれはたまらなく腹立たしいんだよなんてこと、あるわけないだろ!」 託生「だから、応えなくていいって言ってるのに……」 ![]() 託生「んー? 『美少年映画セミナー』?」 章三「意味深なタイトルだが、中身はちゃんとした(?)美少年を踏まえた『映画解説本』だから。長沢節さんの著で、角川書店から出てます」 託生「って、赤池君、もしかして、これCM?」 章三「良い男がいっぱい掲載されているから、それで男を見る目を養えよ。世の中には、ギイよりステキなヤツは、ごまんと──」 託生「どうせだったら、美少女映画セミナーの方が良かったな」 章三「葉山……」 託生「では、次回のゲストのリクエスト、それから、質問もお待ちしてますので、ドンドンハガキで送ってくださいね。赤池君、ありがとうございました。この本、ギイに渡しておくね」 章三「ああ。おかしなことに使わないよう、よーく言っとけよ」 託生「?」
(本文中の募集等は、雑誌掲載時のものです。現在、募集は行っておりません)
◆タクミくんへの
Q&A
Q: 前に(たぶん5月ごろだと思うんだけど)託生くんたしか、日本本土から出たことがないって呟いてたよね。それじゃあ、国内で旅行したところでどこが印象的だった? 思い出の場所みたいなところがあったら教えて下さいな。(中学の卒業旅行で行った京都なんてのはヤだぞ)。あっ、ついでに祠堂って修学旅行あるの? どこに行く予定なの?(滋賀県・太田のぞみ)
A: 家族旅行とか、あまりしない家だったので、思い出の場所とか訊かれると困っちゃうんだけど、実は、3月の春休み、ニューヨークへ行ってきました。いきなりの、海外です。ニューヨークのギイの家に遊びに行ったんですけど、なんか、どこもかしこもインパクトが強くて、ものすーっごく印象的な旅でした。それから、えー、と、祠堂の修学旅行ですか? ないです。その代わり、2年の3学期にスキー合宿という恒例行事があります。今年は1月の末にありまして、これがまた、すごくてね……。いつか、詳しく話せる機会があるかと思います。Q: 託生くんは結婚って意識したことはありますか? 相手はやっぱり、ギイですか? それとも別の誰か……? ところで外国だと男同士でも結婚できるところがあるじゃないですか。だけど日本は絶対ダメ。そーゆーのってどう思いますか? (桐生市・ゆかた娘)
A: 結婚……。意識したことないといえば、ウソになる、かな。けど、あまり切実な問題でもないので(まだ高校生だし)深くは考えていません。相手も、もちろん、誰がいいとか、真剣に考えたことはないです。男同士の結婚が、日本ではダメだそうですが、法律そのものがどうとは、ぼく個人としては良いも悪いもなくて、そういうものなんだな、と解釈しています。Q: 託生くんはもちろんギイくんとひとつのベッドで一緒に寝ることがあると思いますが、ギイくんの寝相はどうですか? また、いびきはかいていますか? どんな音ですか? (西宮市・CIMA)
A: ギイの寝相は、特に悪くはないです。と、思います。一緒に寝ていて、蹴りが入ったり、殴られたりしたこと、ないんで。でも、寝始めた姿勢のまま、朝を迎えるなんてこともないから、それなりに動いてはいるんだよね、きっと。いびきは、ウルサクてそれで目が覚めた、なんてことがないので、かいてないんじゃないかと思うんだけど、僕もぐっすり寝ちゃってるんで、よくわからないです。ごめんね。Q: 祠堂学院は人里離れた山の中にあるそうですけど、何県のどのあたりにあるんですか? ぜひ教えて下さい。 (佐野市・池田波子)
A: ナイショだよ〜ん(ギイ談)。Q: 託生君のファースト・キスのお相手って誰ですか? また、その時のこと、詳しくたっぷりと教えて下さい。 (札幌市・K子)
A: えーっ、こんなこと話すの!? 相手はギイです、と言ったところで、どれほどの人が信用するだろうか……。Q: 託生くんはギイと違っていつも謙虚でエライなぁ。たまには自分の自慢をして下さい。長所とか好きな所とか……。 (大阪市・I Love Takumi)
A: ギイにとってぼくの長所は「世間に疎いところ」。でも、赤池君には短所と思われてるので、よくイヤミを言われます。こんな風に人によって受け取られ方が違うんで、長所短所はともかく、自分の好きなところは、けっこうマジメというか、堅実っぽいところかな。あんまり要領良くないんで、結果的にそうなっちゃうだけなんだけど、デキはそれなりでも、頑張った充実感みたいのって、やみつきになるっていうか……。えーと、だから、マジメに頑張る自分は、けっこう好きかな、ということです。Q: どうしても知りたかったギイのコロンの銘柄……。教えてもらえなかった……。というわけで、タクミくんの使ってるシャンプーが知りたいです。答えてもらえるよね! (埼玉県・MIO)
A: 資○堂スーパーマイルドのFグリーン、ポンプ式をギイと共用してます。理由は、ズバリ、安いから。ギイは匂いが気に入っているようです。Q: ギイの吸っている煙草の銘柄はなんですか? 校則違反だけど……託生くんは何も言わないの? (栃木県・池田波子)
A: 彼は節操なく、何でも吸います。煙草なら何でも良いんでしょう。校則違反なんだけど、何かとストレスの多い寮生活では他に我慢してるものがたくさんあるので、ぼくは大目に見ています。Q: 託生くんはギイや章三くんに身長ねた(!?)で悔しがってるけど、理想はどれくらいなの? (福島県・遠藤玲子)
A: 178センチ! どうしてと訊かれても応えられないけど、数字のね、並びが良いかなと思って。 |
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イラストレーション/おおや和美 Illustration Copyright © 1994-1999 OOYA,Kazumi First Published Copyright © KADOKAWA SHOTEN PUBLISHING CO.,LTD Copyright © 1994-1999 GOTO,Shinobu |
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