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"In the Garth of Shidoh"
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第4回 ゲスト:高林泉&吉沢道雄
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祠 堂 の 中 庭 で |
![]() 吉沢 「こんにちは」 高林 「ねえ葉山、僕たちゲストなんだろ? 喉渇いたなー、急にトロピカーナのミックスジュースが飲みたくなっちゃった」 託生 「え……、あ、ごめん、飲み物とかは、特に用意してなくて……」 高林 「吉沢、帰ろうか」 吉沢 「高林くん、待った、ちょっと」 託生 「あ、気が利かなくてごめんね。不手際は謝るから、頼むから帰らないでくれないか」 高林 「謝らなくていいから、買ってきてよ」 吉沢 「高林くん、ワガママは──」 託生 「わかった! ちょっと行ってくるね」 吉沢 「──……泉。こら、葉山くん、本当に行っちゃったじゃないか」 高林 「いいんじゃないの、本人が好きで買いに行ったんだからさ。それより、このハガキの束、何だろう」 吉沢 「こら、人の物を勝手に見たりしちゃ──」 高林 「吉沢くんと高林くんへ。──なんだ、これ僕たちへの質問のハガキだよ。お互いの第一印象を教えてください、だってさ」 吉沢 「泉への第一印象?」 高林 「聞きたい聞きたい、教えて、吉沢」 吉沢 「去年、入学式の日にすれ違って、綺麗な女の子だなって、見惚れた」 高林 「ナニ、ソレ。うち、男子校じゃんか」 吉沢 「なんか、その瞬間、そういった常識をポンと越えちゃって」 高林 「感動した?」 吉沢 「うん、すっごく」 高林 「よしよし。僕はね、利用しがいのありそうな男だなと思った」 吉沢 「え……?」 高林 「吉沢って、騙されやすそうと言うか、駆け引きもロクにできないし、絵に描いたようなお人好しだし、いいカモになりそうって」 吉沢 「ハハッ、踏んだり蹴ったりな印象だね」 高林 「そのくせ、実は、ケンカは強いわ、頭は良いわ、色んなこと覚悟して騙されるなり利用されるなりしてて、バカが付くほどのお人好しに変わりはなかったけど、なんかさー、懐が深くってさー、気づいたらそういう吉沢にポッカリはまっちゃってて、まんまと一本取られたって感じかな」 吉沢 「──俺?」 高林 「そ。世界中で一番カッコイイもん、吉沢」 吉沢 「あー……そ、それは、どうも、っと、一枚落ちたよ、泉。──もし今ギイに付き合ってくれと言われたらどうしますか……? え?」 高林 「吉沢が!? そんなの、絶対断れよ!」 吉沢 「いや、泉が、だと思うんですけど……」 高林 「僕は誰にも吉沢を譲る気なんかないんだからな! たとえギイといえど──」 ギイ 「オレがどうした、高林。──お、ハガキの束。わかった、託生の『中庭コーナー』だな」 吉沢 「ギイ、どうしてここに?」 ギイ 「天気が良いから散歩してたのさ」 高林 「ちょっとギイ、吉沢に馴れ馴れしく口をきかないでよね!」 ギイ 「へえ、相変わらずユニークな質問きてるなあ。これなんか、吉沢くん、インハイ入賞後、有名になって下級生からラブレターとかもらいますか? だってさ」 高林 「えっ!? もらったの、吉沢!?」 吉沢 「ちが──、という内容の、質問ハガキなんだよ、いず、た、高林くん」 ギイ 「そっかー? 案外とモテてんじゃないのー」 吉沢 「やめてくれよ、ギイ、火に油を注ぐような発言は。違うからね、もらってないからね、高林くん。だってね、ここは、男子校なんだよ」 ギイ 「にもかかわらず、どうしてかカップルがいくつもいてねえ」 吉沢 「ギイ! あのね、高林くんは特別だから、どこにいても恋愛事には縁が深いかもしれないけれどね、一般的に、こういう環境下では──」 高林 「この際だからギイ、一言忠告しておくけどね、僕の吉沢に手を出さないでよ!」 吉沢 「だから、高林くん──」 ギイ 「どうしてオレが、託生を捨ててまで、高林の吉沢に手を出さなきゃならないんだ?」 高林 「だって吉沢、ギイにコンプレックスあるみたいなんだもん」 ギイ 「へ? 何の?」 吉沢 「ちょ、ちょっと、ふたりとも!」 高林 「ギイくんの美貌にクラッって感じ? やだよねーその顔、厭味なくらい、整ってるもんねー」 ギイ 「それを高林に言われたくないな」 高林 「なんだよ」 吉沢 「わかった! 百万歩譲って、仮に俺がギイに交際を申し込まれても、絶対に受けたりしないから! だから、ギイにからむのはやめてくれないか、高林くん!」 ギイ 「オレ!? オレと吉沢が、交際!?」 高林 「ホントだね! 絶対、断ってくれるね!」 吉沢 「高林くんこそ、もしギイに交際を申し込まれても、ちゃんと断ってくれるよね?」 高林 「あったりまえじゃん」 ギイ 「おい、ちょっと、おふたりさん」 高林 「愛してるよって言って、吉沢」 吉沢 「こ、ここで?」 高林 「ギイなんか気にしなくていいから」 ギイ 「高林、ギイなんかってのは何だよ、なんかってのは」 ![]() 吉沢 「でも、葉山くんが、あっ……」 ギイ 「──……あーあ、結局ドナドナされてっちゃった。ホントに高林に弱いなあ、吉沢は」 託生 「ハアハア、お待たせしました高林く──、あれ? ギイ? あれ? ふたりは?」 ギイ 「よ、託生」 託生 「高林くんと吉沢くんは? さっきまでそのベンチに座ってたんだけど、ギイ、知らない?」 ギイ 「通りすがりのオレには、何のことやら」 託生 「どうしよう、ふたりがいないとコーナーに穴があいちゃうよ」 ギイ 「穴埋めに、オレとキスでもしてようか」 託生 「そんなんで、穴埋めになるんでしょうか」 ギイ 「なるなる、オレを信じなさい」 託生 「ウソばっかり。──ヘルプ・ミー」
(本文中の募集等は、雑誌掲載時のものです。現在、募集は行っておりません)
◆タクミくんへの
Q&A
Q: 私のストレス発散法は、買い物とカラオケですが、託生くんは何でストレスを解消しますか? カラオケを唄いに行ったりすることはあるんですか? あれば、十八番のレパートリーなども教えて下さい。(大阪市・YASUKO)
A: カラオケは、まだ行ったことありません。ギイが行かないからで、彼が誘うのは映画かショッピングかゲームセンターです。UFOキャッチャーをギイにやらせると、とんでもないことになります。どこの機械でも、思い通りの品物を自由自在にキャッチして、その手際の見事さを眺めていると、すっごく気持ちが良くてスッキリします。もしかして、ぼくのストレス解消法は、ギイのUFOキャッチャーにつき合うこと、ですか?Q: 託生くんはいつもわりと短めの髪型ですが、最近はやりのロングヘアーは嫌い? もし愛するギイがロングにしたら、切ってもらいますか? それとも大好きなギイなら、許しちゃいますか? (三鷹市・葉山恭子)
A: うーん、長髪は、どうかなー。ギイに果たして長髪が似合うだろうか。ナゾですねー。似合うんだったら、長くても短くてもぼくはかまわないけれど(そのうち目も慣れるだろうし)でも、ぼく自身が長髪ってのは、多分一生しないでしょう。似合わなさ過ぎだから。Q: 私はギイの大ファン! ギイくんの好きな洋服のブランド名をぜひ、教えて下さい。ニューヨーク・ヤンキーズのスタジャンはまもなく購入いたします。 (福岡県・安富洋子)
A: ブランド名を、このぼくに訊くんですね。無謀なことしますね。直接ギイに訊きましたが、意地悪な彼は教えてくれませんでした。タンスの中の彼の洋服のタッグをこっそり盗み見たりしましたが、横文字ばかりで、ぼくにはお手上げです。唯一わかったのが、日本製品は圧倒的に少ないということでしょうか(ゴメンね)、それから、どれも高そうだということと、センスの良さは、サスガです。Q: 託生くんやギイの会話に、洗濯の話があったりしたけど、どこで洗濯してるんでしょーか? まさか手洗いで、なんてことはないと思うけど……? あとシャツとかには、やっぱり自分でアイロンかけてるの? 託生くんって不器用そうで(ごめん)、うまくアイロンかけられそうにないような気がしちゃう(ほほえましいけど)。何かすっごーく気になるので、ゼッタイ教えてね。 (東京都・渡辺彩)
A: 洗濯は、寮に何ヶ所か洗濯機の置いてあるコーナーがあって、みんな適宜に洗濯してます。シャツのアイロンは、そういうのが得意な友人に頼んだりする人もいるけれど、ぼくは自分でやってます。出来栄えはソコソコです。Q: 『カリフラワードリーム』のカリフラワーはどれくらい成長したのー? (葛飾区・託生我命)
A: 今日現在、カリフラワーは直径50センチほどになってます。けっこう、大きくなるものなんですね。Q: 託生くんは素敵なバイオリンを弾くそうですけど、練習は、ちゃんと毎日してるんですか? 部屋で練習するときにはギイは側にいて託生くんのバイオリンを聞いてたりするのかなあ? それから、託生くんの好きな曲を、ジャンルにかかわらず、教えてください。 (京都府・文美)
A: 時間を作って練習するようにはしてるけど、なかなか思うようにはいきません。ギイは、いたりいなかったり、です。いても話しかけたりしてこないので、練習の邪魔にはならないけれど、決まって遠慮なくこっちを見てたりするので、落ち着かなくなって、違う意味で、邪魔かもしれない、です。うん。で、好きな曲は、バイオリンだとショーソンの『詩曲』とかサン・サーンスの『序奏とロンドカプリチオーソ』とかで、ちょっと情緒過剰ぎみなものが好みです。あ、古いけど、ビートルズとかも好き。永遠のスタンダードかもしれないね。日本の歌手では、誰が好きかなあ。いっつもその時流行してるのを耳にしてるから、そのせいで特定できなくなっちゃうんだよね。耳になじむと良い曲だなって思っちゃうし、実際、良い曲多いよね。 |
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イラストレーション/おおや和美 Illustration Copyright © 1994-1999 OOYA,Kazumi First Published Copyright © KADOKAWA SHOTEN PUBLISHING CO.,LTD Copyright © 1994-1999 GOTO,Shinobu |
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