
このページでは
「女性のための歯周病講座」の中から
テーマに応じて抜粋した話題を提供します
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歯周病の原因は何か
深田 邦雄
歯周病の原因は「プラーク(歯垢)」の異常付着
外部要因の大きなものとして、まず歯頸部(歯と歯茎の境目)に異常に付着した細菌のかたまりであるプラーク(歯垢)、多量の病原細菌です。局部的には、咬合性外傷という咬み合わせの異常。咬合性外傷だけでは、本格的な慢性辺縁性歯周炎にはなりません。ごく局部的には、このプラークをつきやすくする不良補綴物(かぶせた冠が合っていなかったりすること、または隙間が開いて、物が詰まりやすくなったりすること)も原因になります。
歯周病の原因には、そのほかにも、歯が生えている位置的な問題があります。たとえば、となりの歯がなくなると後方の歯は倒れ、倒れてきた側の骨が溶けてくるということがあります。このことが歯周病をさらに悪化させることにつながります。

歯周病を引き起こすその他の要因
内部的要因にはその人のもっている体質が含まれます。歯周病に対する抵抗力が、もともと遺伝的に弱い人。それから全身的な疾患と関わる場合、とくに糖尿病、そのほか腎臓病などその典型的な例となります。女性では骨粗鬆症などが考えられます。歯周病は、ただ単に外部要因であるプラークだけで起きるものではありません。プラークに対する免疫の働きが、逆に歯周病を悪化させてしまうことが最近注目されています。
現代病の多くが影響を受けていると言われているストレスも免疫と密接な関係があることは、もうすでにかなりの人々が認知している事実です。免疫と関わると言われる歯周病も、当然ストレスの影響を受けていることは考えられます。

口腔疾患に関与する細菌群
歯周病のいろいろな病系に対して、現在はそれに関与する細菌の分類は上の表のように行われています。虫歯は主にストレプトコッカスミュータンスという細菌と重要な関わりがあると言われていますが、歯周病はストレプトコッカスミュータンスと異なる嫌気性菌がを起こしています。面白いことに、歯周病の発症には、虫歯が一本もない人に、比較的中年から増えてくるという傾向があります。ほかの感染症と違うのは、一応は主に働く細菌が考えられていますが、完全に一つの細菌だけで起こる病気でもないということです。たとえば、赤痢菌、コレラ菌、あるいは結核菌というようにはっきりと原因細菌を限定できるものとはどうも違います。
◇虫歯---- ストレプトコッカスミュータンス
◇歯周病---嫌気性の細菌群
成人性歯周炎
難治性歯周炎
限局性若年性歯周炎
妊娠性歯炎
急性壊死性潰瘍性歯肉炎
歯周病の低年齢化
年齢的な増加傾向を歯周病とほかの口腔疾患とで比較すると、歯周病は虫歯に比べて高年齢になるにつれ、どんどん増えてきます。とくに四十代を過ぎると、いろいろな原因が絡み合って急激に増えてきます。一方虫歯は、どちらかと言うと小児の病気と言っていいもので、比較的子供に多くて、大人になると少しずつ減ってくる傾向にあります。第三の口腔疾患と言われる顎関節症(顎の関節に異常が起き、口が開かなくなったりする病気)も若年時に増えてきます。面白いことに、この顎関節症は比較的歯周炎に抵抗力のある人に多く現われます。
ところが、最近では小中学生にも歯肉炎、慢性辺縁性歯周炎が見られるようになりました。十四歳の子供が、慢性辺縁性歯周炎になっていたというような症例が、そんなに珍しいことではなくなってきています。この歯周病の低年齢化という問題は、実は食事と密接な関わり合いをもっているのですが、その事については回をあらためてお話しましょう。