このページでは

「女性のための歯周病講座」の中から

テーマに応じて抜粋した話題を毎月提供します


「私は非常識な歯科医かも知れません」

深田 邦雄

 


 

抜く必要がない歯まで抜歯されている

歯周病治療の実態

 今では「歯科の駆けこみ寺」になってしまった当院では、ほかの歯科医が抜歯宣告した歯周病歯が、実はまだまだ保存可能であった例がたくさんありました。実に多くの患者にとって、以前抜かれた歯も実際はまだまだ保存可能であるという期待感が残されたままで、抜歯行為が行われたようです。

 ときには、歯周病であるという理由だけで抜歯宣告されることがあります。だめだと思っている歯周病歯の30%ないし40%が、基本的診断の誤りのようです。

 歯科医のご都合主義で「抜きましょう」と説得されたり、「抜かなければ・・」と宣告されたりする例も多いようです。しかし、当の歯科医は「歯を抜いて義歯を入れる」ことを天職と信じ、それが歯科医の「常識」であったりします。

  

  

 

 

 

救済困難な歯を延命させる「非常識な」歯科医と

抜歯宣告に納得しない「非常識な」患者との出会い  

 ちなみに「常識」とは、簡単に言えば、私たちの日常生活の行動規範であり、同時にそれに基づく判断の基準です。大多数の歯科医が前述の簡単に歯を抜くという行動様式をとるとすれば、それはそれで常識であり、救済困難な歯をあえて延命させようと企てる歯科医など「非常識な」歯科医ということになるかもしれません。

 いまだに歯周病は最初から治らないと思っている歯科医も相当数いるようです。歯周病にかかった歯槽骨が再生するなど多くの歯科医は経験したことがないみたいですし、患者もそんな歯が治るなどと思ってもいないようです。

 歯周病は、中期以上になるとたびたび歯肉が腫れたり、動揺(歯がぐらつくこと)したりして、歯は脱落する運命をたどります。しかし、実際には、歯周病の治癒をさせたことのない歯科医によって、回復の望みのあるものの大多数が抜歯されているのも事実です。

 歯周病歯を救済してほしいと願う患者は、歯周病治療に適切に取り組まない「常識」的歯科医にとっては「非常識」な患者となり、抜歯宣告されるべき歯を抱えた「非常識」な患者が「常識」的歯科医を訪れると、歯科医はいわゆる「常識」的行動をとろうとします。しかし、「非常識」な患者は納得しません。この「非常識」な患者はやっかいなしろものとなります。したがって、最後は「やっかい払い」されてしまうこととなるのです。

 「非常識」な患者は「非常識な」歯科医に巡り会えてはじめて心の安寧に至ることになるのでしょう。

 ところで、もし私の考えにあなたが同感するのであれば、あなたも「非常識」な人かもしれません。