明るくたくましい男達 みんなのことずっと忘れないよー

 

空港についた時からカンボジアが好きになった。カンボジア入国にはビザが必要で事前に取得していない人は空港でとることになる。空港で申請用紙に記入していたがめんどくさがりのわたしは段々とめんどくさくなってきた「んー、ここは何書くとー?わからーん」とモタモタしていると小柄な男性職員がニコニコしながらやってきた。笑顔を見るとつい笑顔になってしまうわたしが笑顔をかえすと用紙の空欄を指さして「◎%=#::*」と言う、綴りが分からないのでペンごと彼に託すことにした。
結局彼の手で埋めれた用紙を持っていざ手続きへ!長いカウンターに男女計5、6人の係員が座りパスポートをまわしていく(どこを見てるのか???)カウンターの奥では男2人が床に座りこんで将棋に興じている。申請料も払いいざパスポートを受け取ると“おぉーい、おっちゃん!パスポートの色が違ーう!しかもその写真は男やんけー!”そう、国籍も性別も違うパスポートを渡されていたのです。ってな訳であの職員の親切でフレンドリーな対応(ベトナムではむすぅ〜とされたままだった。試しにカンボジアからサイゴンに戻った時パスポートコントロールの職員にスーパースマイルを見せてみたが相変わらずむすっとされた)と入管のいい加減さをすっかり気に入ってしまった。
さて、入管を出て一番にしなければいけないことはシュムリアプまでの往復航空券の確保。空港を一歩出るとこれまたタクシードライバー達の客引き合戦!「今からすぐシュムリアプに行くから」と言いつつ国内線ターミナルへ。そこまでソフィアという見るからにあやしくないドライバーが静かについてきた。流暢な英語をしゃべりじゃまにならない程度にサポートしてくれた。しかし・・・カンボジアでは銀行以外ではほとんどカードが使えないと聞いてはいたけど空港でまで使えないとは!しかも往復が買えない!(理由は夏におこった内戦のせいって、パソコン盗まれたせいらしい)仕方ないので持ち金をドルにかえ(リエルじゃだめらしい)購入しようと思っていると「こんにちは。わたしはスルンと申します」とこれまためちゃくちゃ人の良さそうな空港職員がやってきた。結局彼が航空券を買いに行ってくれたのですが、私達はすっかり彼が気に入った。「ここは??空港でございます」「季節は春と夏と秋と冬があります」「あなたのお名前は何と言いますか?」と持ってるすべての日本語の語彙を駆使して日本語で話をしようとします。よほど高貴な人から日本語を習ったらしく、ものすごい丁寧語でした。しばらく私達とソフィアとスルン4人で日本語、英語チャンポンで話をしていました。それでも時間が有り余ってカフェテリアでコーヒーを飲みしばらくしてチェックイン。それでもフライトまではかなりの時間があり売店があるわけでもなく(あったことはあったのですが開いてなかった)しばらくは待合室でおとなしくしていましたが退屈で退屈で身のおきようがなくなり荷物を姫にお願いして外で出ることにしました。(一度チェックインした人が外に出れるってのもすごいですが)
外にはソフィア他2,3人のタクシードライバーがいて、彼らと話をしているとどこからともなく他のドライバーもやってきてわたしを取り囲みました。ソフィアはずっと横にぺったりくっついていました。(後から聞いたところによると一応心配してくれたようです。「君はフレンドリーでジョークが好きなんだね」と言ってました)みんなが次々と質問をなげかけてきます。名前・歳・結婚してるか・国では何やってるか・何しにここにきたのか等々。でも決して不愉快になるような質問はしないし、みんなやさしい目でわたしを見ています。ヒョコヒョコと男性がやってきました。一人のドライバーが「あ!アークロイがやってきた!彼はミスターアークロイだよ。ほらアークロイを呼んでみて」と言うのでわたしが「アークロイ」と言うとみんな大笑い。何度言っても大受けでした。(後で姫が調べてくれたのですがアークロイとは“悪い”という意味でした。結局わたしが覚えたクメール語はこの一言になりました。トホホ)みんなの質問責めにあいながら彼らがよく笑うことに気付きました。とにかくよく笑います、それも最高の笑顔で。(ベトナムではこれは見られませんでした。あそこではちょっとカゲのある男の方がもてるのでしょうか?)わたしもよく笑いました。彼らは好奇心旺盛でわたしが今まで旅した国のことをしきりに聞きたがります。わたしも説明できる限り説明しました。「ベトナムはどうだ?」という問いに「男性においてはベトナム人よりカンボジア人の方が素敵」と答えたとたん起こった大歓声と彼らのうれしそうな顔。(半分お世辞だっちゅうに!)わたしがはめていたBabyGを発見して「こんな時計カンボジア中どこ探しても見つからない。俺の時計とchangeしてくれ」とも、言ってきました。彼らの時計はバッタSEIKOでした。(ベトナムではこのchangeがgiveになります。これも国民性でしょうか?)飛行機の時間も近づいてきたので写真を撮り、みんなとお別れしました。(そこで取れた写真が下です。みんないい笑顔してるでしょ?)彼らは「シュムリアプで現像して戻ってくる時に持ってきてくれ」とリクエストしました。それから大半がアンコールワットを見たことがないらしく「どんな様子かしっかり見てきてほしい」とも言っていました。短い時間だったけど、この数十分がカンボジアで一番楽しかったような気がします。

 

彼ら内戦明けですよ。信じられる?この笑顔

 

〈一言アドバイス〉

彼らはただ見ただけではかなり怪しく見えますがほんとは素朴で愛すべき人間です。話してみると楽しいですよ。