ある日KIETが眉間を鬱血させてきました。「けがしたの?」と聞くとSICK! SICK!と言います。「病気じゃなくてけがでしょう?」と言ってもSICK!と言い張ります。“こいつSICKとHURTの区別がつかんのか”と思っていましたが、わたしの間違いでした。香港に[百合油](液体タイガーバームのようなもの小瓶に入って香港中どの薬局でも売っている)があるように、ベトナムにも[風油精]があったのです!日本でいうオロナインやメンソレータムみたいなもんでしょうか?兎に角万能薬で一家に一個常備してあることは間違いありません。わたしたちが疲れた顔をしていると「頭痛い?それとも疲れた?」と言い、
その緑の小瓶を出すのです。それを額にのばして手刀マッサージをします。その後爪と爪で強烈に肉をはさんで血を溜めて鬱血させるのです。わたしたちはマッサージで止めてもらいました。(百合油のようにはギトギトしてなく、ミントの香りがしてつけるとスッとします)これ以降気をつけて見ると結構たくさんの人が鬱血顔でいることに気付きました。額だけでなくのどなどにも鬱血しているところをみると、とりあえずぬれば治ると思っているみたいです。この薬KIETが肩をはずした時にもぬられていました。“それは骨と筋肉の問題やけん、それじゃ治らんめーもん”と思いましたが、病は気からと言いますからね。
この話には時差付きのオチがつきました。日本に帰国し、2週間ほどたった頃友人の裁判の傍聴に行きました。わたしと一緒にHANOIからの留学生TRANもいて裁判を傍聴していました。裁判も中頃にさしかかった時TRANがなにやらバックの中をガサガサ物色しはじめたのです。“メモ帳でも探しよるんかいな?”と、思ったわたしが甘かった彼女が探していたものは・・・そう、緑の聖水!風油精だったのでした。彼女は神妙な面もちでオイルを額とこめかみにつけマッサージしていました。裁判中だったので笑う訳にもいかず大変つらい思いをしました。(裁判後ちゃんと彼女にベトナム式マッサージを施したよ)留学先まで持っていくとなると正露丸みたいなもんなんでしょうかね。(この時わたしの母は“なんでこの人こんな時にコロンとかつけよるっちゃっかー?”と思ったそうです。この聖水のことを知らないひとはみんなそう思うでしょう)追記:TRANのお母さんが来福した際お土産に風油精を持ってきてもらいました。成分はメントール、エチルアルコール、メチルサリチル酸、クロロフィル、ミネラルオイル、薔薇エキスです。やっぱこれじゃ肩のはずれには効かないような気が・・・
〈一言アドバイス〉
[百合油]は旅のお供です。歩きつかれた足に塗って寝ると翌日かなり楽になります。