全国社会保険職員労働組合 兵庫支部


 

組合訪問 No.38

2003年5月15日号

国一元化との闘い

 地区労は5月13日、県職員会館で県職労社会保険支部と交流を行った。社保支部からは須見支部長をはじめ支部役員・市内の分会代表11人が出席した。

 

★国一元化で仕事と組織は。

 

 仕事は、社会保険の保険料徴収や支給事務、窓口相談を行っている。
 組合組織は、県下に10分会で約600人。市内は5分会あり約300人いる。
 戦後、県での業務と位置付けられてきた社会保険は2000年4月に国の業務として一元化された。そのため、2007年以降、県職労の支部としてとどまることが出来ず、3年後の組織をどうしていくかが全国的課題となっている。
 国に一元化されたが、組合としては引き続き県への移管を求めている。これまで県との交渉で勝ち取ってきた労働条件が国一元化によって奪われようとしており、これを守っていく闘いが求められている。

 

★職場はどう変化しましたか?

 

 昨年4月から市町村がしていた国民年金の仕事を社会保険事務所で行うこととなった。人員的には市内で100人、県下では400人分にあたる仕事を増員なしで対応している。取り扱いの変更で、相談が増え電話がつながらないとか、保険料の徴収率低下などとして現れている。
 社会保障制度の規制緩和で民営化問題もあり、直接職場の廃止にもつながりかねない。郵政の公社化や農林の状況など知りたい。

 

★重点的な課題は?

 

 仕事だけが増えた結果、入力作業など一部仕事の委託問題も出てきている。
 昔は「年金スト」がされるなど、労働組合・国民の関心も高かったが、物価スライドによる年金の減額となっても、大きな反対運動も起きない。これらの問題について、運動を強めていきたい。

 

★地区労への要望は。

 

 組合員にとっては、まだまだ地区労と距離があるが、区長交渉や被災地メーデーなどはわかりやすく、組合員だけでなく非常勤職員にも呼びかけやすい取り組みと思っている。これからもわかりやすく、集まりやすい取り組みを増やしてほしいし、若い組合員といっしょに参加しながら交流したい。


組合訪問No.23

2001年3月23日号

不況・リストラで増える窓口相談

 神戸地区労は2月21日、県職労社会保険支部を訪問した。地区労からは、前田議長ほか黒崎、塚原、芝、戸崎、福島、細川の8人、社会保険支部からは、須見支部長ほか大西、金勢、福田、谷口、榎並、木元、白国、藤井、堂脇、魚返の各執行委員に参加していただいた。 

 

◆社会保険支部の組織はどうなっていますか?

 

 県下に9箇所ある社会保険事務所とそれらを統括する兵庫社会保険事務所、計算センターの11職場に、11分会・599人の組合員がいますが、身分移管で7年先には新たな組織づくりも検討課題となってきます。
 昨年3月までは、県庁内に福祉局の課として事務局がありましたが、地方分権法の成立で国に一元化され、身分が厚生省の地方事務官から厚生労働事務官(国家公務員)へとかわり、事務局も県庁から三宮に移転されました。
  仕事の内容は、社会保険料や労働保険料の徴収業務、国民、厚生年金申請・支給手続きや窓口相談を行っています。

 

◆震災や長引く不況、リストラなどによる仕事上の特徴的な変化はありますか?

 

 年金給付申請では、精神疾患に関連する病気の増加、職場や雇用、生活に起因する自殺によって配偶者が遺族年金の給付申請をするケースが目立つようになっています。年金制度の改悪やリストラの影響もあってか、年金の支給や仕事に関する相談が増加しています。時には、1日180件ぐらい相談があり、3時間の時間待ちとなることもあります。
 また、震災以降は、いろんな相談に対して、自分自身が納得できるまで説明を聞く人が増えています。個人の権利意識が強まったというでしょうか。

 

◆職場や組合の課題は?

 

 中央省庁等の改革で社会保険庁は「実施庁」と位置づけられて、事業目標が設定されて、その実績が評価されるシステムとなり、労働強化が強いられることになります。
 また、独立行政法人化への恐れもあり、社会保険料と労働保険料徴収事務の一元化申請・届出書類のインターネット等を利用した手続きを行うための合理化が打ち出され、人減らしにつながるなど課題は数限りなくあります。
 40数年間、「合理化反対、オンライン反対」をスローガンに身分移管闘争を闘い、労働条件や権利の確立を勝ち取ってきました。このことが、国に一元化されたことによって剥奪されようとしてきており、私たちの大きな課題となっています。

 


組合訪問 No.4

1999年3月15日号

正念場迎えた身分移管闘争 

 「今が身分移管闘争の正念場」といわれる県職労社会保険支部で大西副支部長にお聞きした。

 

 社会保険職場は全国に約300あり、県内には11の職場があります。
 仕事の内容は国民年金や厚生年金の加入・脱退の事務、保険料の徴収や健康保健所を作ったり、年金の決定事務を行っています。
 社会保障制度の改悪がすすむ中、住民の関心も高まり、電話や来客は増加の一途をたどっています。「24年働いてきたが、年金は受けられないか」「年金だけでは生活ができないから働きに出ようと思うが、その事でなぜ年金が削られるのか…」など、住民の苦情を受けながら年金改悪の矛盾はますます深まっています。
 住民が少ないと言われる三宮事務所だけでも窓口は「1〜2時間待ち、電話応対も日に400本、かけられても通じない状態になっています。「忙しいけれども、年金をどうにか出せないのか、方法はないのかを調べたり給付金も個人の生活がかかっているので、できるだけ早く事務処理をするように努力しているが、急増する業務に対して人が少なすぎる。昨年も県下だけで130人の人員要求を出してきたが全国で採用されたのは1人だった」と言われています。
 社会保険で働いている職員は「地方事務官」と言われ、賃金表は国家公務員のもの、しかし、定数は「国」に入らず、県職員に準じて県知事の指揮・監督の下、同じように働いています。地方自治法で「当分の間、国家公務員とする」とされて以降、不安定な立場に50年間置かれてきました。
 先ごろ、地方分権委員会から勧告が出されましたが、私たちの要求である「県職員」ではなく「国一元化」であり、職員の生活基盤、働き続ける条件を守るためにもゆずれないと位置づけています。
 今日までも職場から精一杯たたかい、自分たちの働きやすい職場をつくる努力をしてきたし、利用客の待合室を充実させるなどの改良もしてきました。
 しかし、身分移管に対するたたかいは、県職労ひとつではたたかえないし、地区労もふくめた総体の運動を強くしない限り、自分たちの雇用も守れない。社会保障の制度改正のたたかいとあわせて追求したい…、と決意が話されました。

【  聞き手教宣部 N 】  

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