神戸市都市整備公社現業員労働組合


 

組合訪問 No.40

2004年2月25日号

入札で奪われる雇用

 地区労は2月10日、神戸市都市整備公社現業員労働組合と交流した。整公労からは、福井委員長、荒尾副委員長、圓書記長、小西・児玉執行委員と組合員の仲田さん、魚住さん。地区労からは前田議長ほか5人が参加。

 

★職場の紹介を。 

 

 公社が運営している駐車場は、湊川・荒田・舞子・兵庫区役所前・ポーアイ第2期・神戸駅北の6ヵ所で、15人の組合員がいます。過去には組合員も70人を超えていましたが、行財政改革の流れのなかで委託などが進行。
 嘱託採用がなくなり、退職不補充も続いている中で、夜間2人体制では休憩をとることも難しくなっています。また、嘱託とアルバイトに分かれており、同じ仕事をしても賃金格差があるので人間関係や働く意欲、職場の雰囲気にも影響しています。

 

★課題は何ですか?

 

 入札導入による雇用の危機に直面しています。駐車場運営のコストダウンのために入札・民間委託が言われ、今後3年以内にすべての駐車場管理を部外委託するとしています。年に1〜2ヶ所の入札が言われており、その第1号に荒田が上がっています。公社側は、「入札になれば民間に負ける」として、現在の定年(70歳と68歳)を短縮すると組合に申し入れてきました。これは、安上がりで低賃金の労働者に置きかえるために組合員の早期退職を求めるものであり、到底認められません。公社側には拒否回答をしています。

 

★公社の対応に問題は?

 

 定年制は、これまでの闘いで勝ち取ってきた制度で確認書もあります。こうしたことを無視して、確認書は引き継ぎがない」などと突然言い出す公社側の姿勢は納得できません。駐車場の売り上げ減少は事実ですが、駐車場収入と、支出は別になっており、個別の収支は明らかにされていません。
 また、公社側の経営姿勢に問題もあります。管理者として赴任しても3年くらいで交代し、本気で経営に取り組んだり、現場の事を考える姿勢は感じられません。組合員の賃金や雇用に手をつける前に、役職員の賃金等を見直すべきです。

 

★これからの取り組みは?

 

 定年の短縮提案は、組合の存続と組合員の雇用問題として取り組んでいくことにしています。また、公社組織やコストダウンの名の下に実施される入札制度の問題を明らかにしていきたいと思いますので、これからも地区労の支援をお願いします。

  


組合訪問 No.17

2000年7月31日号

賃金、環境改善は交渉でほぼ解決

 6月26日、湊川神社の北側にある神戸市都市整備公社現業員労働組合を訪問。神戸地区労から前田・芝・取坂・山崎・黒崎・塚原が訪れ、製公労からは、水口委員長・早田副委員長・鶴谷書記長・横道・大森各氏が受入れてくれた。 

 

★現状の活動について。

 

 製公労は1972年に組合を結成し、執行委員6人体制、組合員は36人。神戸市都市整備公社の管理する9ヵ所の駐車場で働いています。職員は55歳を過ぎてからの就職で、平均年齢は66歳ですが、ここで働く前は神鋼や国鉄、市などで働いていた人がほとんどで、強者ぞろいです。

 

★離れた職場でどんな工夫をされていますか?

 

 駐車場の営業時間が7時から24時まであり、交代制の勤務です。勤務場所もばらばらの上、六甲アイランドなど遠い職場もあり、連絡体制を整備し、各職場ごとに世話人をおいて意見を集める努力をしています。

 

★要求・交渉は?

 

 賃金闘争は、人事委員会勧告を受けて神戸市と交渉し、民間のように春闘での交渉はありません。高齢者が多いため職場の環境については注意しています。地下駐車場では排気ガスによる健康破壊の心配があり、NOXの測定を要求し改善を図っています。賃金や環境改善の要求は、ほぼ100%改善を勝ち取っています。

 

★困っていることは?

 

 飲食街付近の職場(湊川駐車場)では、酔ったお客さんが駐車料金を踏み倒したり、因縁をつけられ殴られたりします。体の傷は日がたてば治りますが、言葉の暴力を受けた心の傷はなかなか癒えません。

 

★地域活動について。

 

 上部団体は神戸地区労しかありません。製公労から常任委員を出し、会議の報告を受けています。勤務の関係から大衆的な動員参加は出来にくいですが、被災地メーデーなどに参加しています。


(取材後記)
 最後に働くものにとって、自分たちの生活・権利を守ることは、労働組合でしか成し遂げられないこと。100%近い要求を勝ち取れるのも数少ない組合員の団結の質がしっかりと構築されていることである。大先輩の話を聞きそのような感想をもった。

【 調査部長  山崎和也 】 

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