2002年1月25日号

組合訪問 No.29

JAM神戸発動機労働組合

厳しさはねかえす組合員の連帯を   


 12月7日、前田委員長ら8人が西神工業団地にあるJAM神戸発動機労組を訪問。小倉委員長はじめ執行部のみなさんが迎えてくれた。交流の前に職場見学をさせてもらい具体的な作業工程や製品などのついて説明を受けた。

 

  組合と職場の紹介を。
 

 職場は本社のある神戸と長崎に工場、東京に支社、今治に営業所があります。船舶用内燃機(船のエンジン)と関連する部品の開発・製造と修理などをしており、観光船ルミナス神戸のエンジンもつくりました。1910年に兵庫区で創業。77年の神戸工場閉鎖争議では、地区労に支援をいただきました。

  造船業界を取り巻く状況は?
 

 低価格で韓国・中国が攻勢をかけており、厳しい状況です。大競争時代のなかで造船会社は吸収・合併・統合が進行していますが、内燃機メーカーも将来こうした動きが出てくる可能性があります。会社からは同業他社と同様に合理化や労働条件の低下を迫られています。

  組合としての課題は?
 

 10月の労働協約の改定が大きな問題となりました。業績悪化を主張する会社は、「実労働日数の変更」「時間外・深夜手当の割増率変更」「外勤・移動・出張手当等の減額」など、今日まで私たちが改善してきた労働条件を切り下げる提案をし、厳しい選択を迫られました。
 職場ごとに組合員討議を行い、11月の臨時大会で「当初案の一定の修正」と「業績の向上によっては2年協約を1年で見なおす」ことを確認して、「雇用第一」の組合対応を決定し、妥結することが承認されました。

  組合の活動は?
 

 執行部は6人で執行委員会は毎週火曜、組合ニュースと福祉ニュースを発行しています。各部の代表が出席する代議員会では、要求や問題の討議を行って方針を決定しています。
 また、青婦部では図書とビデオの貸し出しや「釣り部」などのサークル活動もやっています。9月の大会では「安定した職場と生活基盤の確立」「組合員の連帯を深め、組織力を強めよう」をスローガンとした運動方針とスト権が87.5%で確立されました。

  地区労への要望など。
 

 5万人アンケートや青年・婦人の取り組みを強めて欲しい。各組合や地域をとおして仲間・知り合いを増やしていくためにも積極的に地区労運動にかかわっていきたいと考えています。

【 教宣部長  芝英機 】  

 


2000年6月21日号

組合訪問 No.7

JAM神戸発動機労働組合

雇用の確保が第一   


 今回の組合訪問は、西神工業団地(西区)の一角にある金属機械神戸発動機支部を訪れ、戎谷書記長にお話を伺いました。 


 

★ まず、職場の紹介を。

 

 船舶のエンジンの製造、金属機械の加工、プラントの組立などが主な業務です。
 工場は神戸と長崎にあり、神戸工場はエンジン部品の製造を中心に金属機械の加工、プラントの組立などと、製造したエンジンのメンテナンス等で船を追いかけ,東南アジアはもちろん、遠くはアラスカや南米のチリなど世界中の海を飛び回っています。
 みなさんご存知のルミナス神戸のエンジンも神発製です。

 

★ 組合員の構成は?

 

 神戸支部の組合員は、神戸工場で62人、東京6人、今冶3人の合計73人です。
 数年前までは100人を超えていたのですが、退職者の補充が十分でなく減少傾向です。

 

★ 99春闘は?

 

 今年の賃上げ交渉は、金属機械業界全体の不況の中で、初めてのゼロ回答に始まり4回の交渉の末に4,300円で妥結、定昇を割り込んでしまいました。同業他社ではリストラを行っているところもあり、賃上げと雇用を天秤にかけられたように感じました。今後の活動方針は、やはり雇用の確保が第一。

 

★ 景気低迷が続く中、仕事を取り巻く環境や職場での労働条件は?

 

 船舶のエンジン製造が主なため、海運業界が低迷していることと、輸送のコストダウンをはかるために船舶が大型化され、新規造船が減り、業界全体の規模が縮小し過当競争によるダンピングが横行しているのが現状です。
 職場の労働条件ですが、工場にクーラーなどの改善要求は出しているのですが、最近では賃金の要求のほうが強くなり労働条件については我慢が続くといった状態です。

 

★ 地区労に期待すること。

 

 いろいろな業種の組合が参加されているので、業務上ではなく5万人アンケートを中心とした対市・対区要求などで地元に生活に密着した活動を続けてほしい。

  不況の波はどの業種にも押し寄せているようです。
賃金よりも雇用の確保に比重が置かれつつあるようです。

【 教宣部   北村辰也 】