2009年11月25日

神戸地区労

第282号


第16回定期大会

 

「ユニオン20年の歩み」上映

 

 

 

 

 神戸地区労は10月7日、勤労会館で第16回定期大会を開き11組合4地区会議から37人が参加した。
 大会議長に社会保険労組の田中代議員を選出。青木議長は「私たちは労働組合に集まって、何を代表して何を目的に労働組合運動をするのか。地区労は企業内だけなく、広く労働者のために運動しているが、組織的にも財政的にも維持できるかというところにきている。地区労を労働者の宝として守っていきたい。」とあいさつ。
 来賓あいさつ・メッセージの紹介の後、近畿労金労組・高橋代議員が資格審査報告をし、大会成立を宣言。議事運営についてユニオン・上野代議員が報告した。
 議案提案に入る前に、地区労が結成し、20年を迎えた神戸ワーカーズユニオンの『ユニオン20年のあゆみ』のDVDを上映し、地区労・ユニオンの活動を振り返った。
 黒崎事務局長が経過報告と方針案、神田財政部長が決算と予算案をそれぞれ提案し、会計監査報告を熟年者ユニオンの松野さんがおこなった。

 

 

 

 

■質疑討論■
 (社会保険労組 森代議員)バッシングで厳しい職場状況だが、県職労、地区労など地域の仲間とともに活動してきたことが支えになっている。組織再編の中、地域組織へ加盟できるよう全国の仲間に訴えている。全員の雇用確保をめざす。
 (全港湾 宇野代議員)姫路伊藤分会はワンマン社長のもと暴力的な奴隷労働に今年3月分会を結成。9月末で会社解散・全員解雇を通告され、数波のストで闘ってきた。互いに名前しか知らない関係だったが、組合結成で交流、理解しあえるようになった。
 (国労保線 長尾代議員)国鉄闘争23年の支援に感謝。闘争団大串さんが関西サイクルキャラバンに取り組む。管理職の天下り先確保のための外注化で事故が増加。若手への技術伝承のためにも外注減少を要求している。
 (ユニオン 奥田代議員)坂井化学工業で、一般事務だが専門職として派遣契約。正社員化をエサにサービス残業の強要。連日の残業を断ると深夜まで叱責が続くパワハラ。最後は不況を理由に派遣切り。直接雇用を求めて闘っている。
 (ユニオンポート産業 岡村代議員)06未払い一時金等で裁判闘争中。鵯料金所閉鎖で組合員が一時減少したが、組織拡大に取り組み現在は増加。「川上」のビラを受け取った事務長の妻が夫に話し、ユニオンを理解し、非組合員・別労組の仲間と話ができるようになり、風向きが変わった。
 (郵政労働者ユニオン 小倉代議員)会社寄りの大労組に対し、現場に依拠した運動に取り組む。郵便事業会社では非正規と正規は2対1。非正規労働者に目を向けた取り組みをしていく。
 (ユニオン花野 中島代議員)金型離型剤で国内トップシェアの花野が、業務提携により工場閉鎖、若手数人は提携先へ、それ以外は解雇。うち5人がユニオンで分会結成。団交の末、やっと実権を持つ担当者と交渉にたどり着いた。納得できる解決まで闘う。
 (熟年ユニオン 米岡代議員)派遣法、派遣労働者の低い労働条件が全体の労働条件を押し下げている。それが少子化を悪化させる。地区労として派遣法の撤廃にむけた運動を。
 (垂水地区会議 門永代議員)地区会議の活動が低調になり、区長交渉が唯一の取り組みになっている。対区要求に必要な市政要求アンケートの継続を。ユニオンの区内の組合員交流会と合同で地区交流に取り組む。
 (黒崎事務局長答弁)配置転換や組合結成がきっかけで仲間を理解し、連帯が生まれた。地域でがんばっている人の話を聞くと力が湧いてくる。地道に活動することが次へつながる。近場で交流できる場づくりで地区会議を作った。機関紙も有効に使って交流を。
 役員選考委員長の全港湾・磯田代議員が新役員を提案。大会宣言を全港湾宇野代議員が読み上げ、福田副議長が厳しい中にも希望が見出せる大会になったと感想を述べた。
 最後は、青木議長の団結ガンバロウ。社会が変わるときに労働組合が動かなかったことは一度もない。我々はカギを握っている。社会を変える労働運動をめざして、神戸地区労ガンバロウ!
 会場を移した懇親会は、熟年者ユニオン米岡さんの乾杯、全港湾姫路伊藤分会の高濱分会長、梅村書記長の力強いシュプレヒコールから自己紹介が始まり盛りあがった。

 

 


 

 

ありがとうメッセージ
★米沢地区平和センター★会津地区平和フォーラム★太田地区労働組合協議会★熊谷地区労働組合協議会★市原地区労働組合協議会★八王子勤労者市民センター★三浦半島地区労働組合協議会★松本地区労働組合会議★富士地区労働組合会議★恵那地区労働組合協議会★岡山地区労働組合協議会★高松地区労働組合連合会★長崎地区労働組合会議★大分市平和運動センター★(沖縄)中部地区労働組合協議会★尼崎地区労働組合人権平和センター★明石地労協人権平和センター(兵庫)

 


 

 全港湾・姫路伊藤分会

 

 

組合つぶしの全員解雇に

 

 

 ロックアウト 突破

 

 

 

 

 

 親会社伊藤興業による伊藤運輸の9月末企業解散・全員解雇の通告を受けて以降、全港湾姫路伊藤分会はストライキ・連日の座り込みなどで闘ってきた。
 解雇当日の9月30日の第5波ストライキには、全港湾を中心に地域の仲間ら約100人が参加した。これに対して会社は、門を閉めロックアウトで対抗した。
 しかし、この日は社員に解雇の説明会をする必要があったため、会社は見るからにヤクザ風の者を呼び、その威嚇下で社員だけを社内に入れた。スト参加者は、説明を受ける姫路伊藤分会の仲間を元気づけようと、説明会の間、大声でシュプレヒコールを繰り返した。組合員はこれに勇気づけられ、外に合わせて、説明会で「解雇!撤回!」とシュプレヒコールを行っていたという。
 説明会を終えた社員らが門の外に出るとき、開けられた門からスト参加部隊が社内に入り、宣伝カーを入れてシュプレヒコールを繰り返した。組合の強い姿勢が、会社の門開放と敷地内での座り込みの承諾を余儀なくさせた。15日のスト突入から数えてDADP(連日抗議:Day after day protest)16日目で会社の門を開けさせロックアウトを突破した。
 この日、終日会社の業務が止まったことを確認してこの日の行動は終わった。
 分会組合員から「今日付けで不当解雇を受けた。今日から不当解雇撤回の闘いへ突入する。勝利するまで闘う」との決意に、参加者から激声が飛び交った。

 

 

   あっ 俺の車が走ってる!

 

 

偽装解散明らかに   

 

 

 組合員が不当解雇の翌日(10月1日)も座り込みを続けようと会社に向かっていると、見慣れた車が走り抜けた。「ん…!?あれ、うちの車やないか!」と慌てて後を追うと、昨日解散したはずの伊藤運輸の車に非組合員だった従業員が乗り、同じ仕事をしていた。会社解散が偽装であることが明白になったことに対し、不当解雇を強いられた姫路伊藤分会の仲間は、このような卑劣で悪辣なやり方に、闘いに勝利し、どうしようもない会社を教育してやると決意を示した。

 

 

 

 


 

 

 

 9月12日〜13日、群馬県太田市・藪塚温泉で第30回全国地区労交流会が開かれ、全国から234人が参加した。
 北爪俊男・実行委員長(大田地区労)からの歓迎あいさつ、激励のあいさつ等のあと、黒崎隆雄・全国地区労交流会事務局長(神戸地区労)が全国地区労交流会の歩みと課題について提起した。
 記念講演は「かかあ天下と上州の縁切寺・満徳寺」と題して、縁切寺満徳寺館長の高木侃氏。「江戸時代の離婚問題を研究していくと、夫権優位、男尊女卑などと言われるが、むしろ男女共生社会の側面もあった」と講師。そう言われれば、尻に敷かれる亭主が多いがなぜ職場では男女差別がまかり通るのか、一考の機会となった。
 今年は連合結成20年であるが、地域労働運動が後退を余儀なくされた20年でもあった。組織の減少と財政難に苦しむ地域労働運動だが、取り組むべき課題は増えている。そうしたことを踏まえて、全国一般埼京ユニオンから日系ブラジル人の闘い、沖縄中部地区労から米軍再編問題、尼崎地区労から公契約条例の取り組み、大田地区労からユニオンの結成と現状について報告がされ、1日目を終えた。
 2日目は5つの分科会に分かれて討論を行なわれた。私が参加した「地域労働運動の現状と課題A」の分科会では、官製ワーキングプア問題や自治体の入札に伴う解雇や労働条件切り下げ、監督署の対応の悪さなど具体的な事例が報告され、公契約条例を求める運動や監督署交渉などの必要性を再認識した。各地の活動を、機関紙交流やホームページ等によって全国をつなげていくことが重要となっている。

 

 

【 副議長 塚原久雄 】  

 


 

 第4期地区労COM。 

 

 

     闘ってこそ権利

 

 

連帯がいのち     

 

 

第1回 元地区労事務局長 松野四郎さん 

 

 

 

 

 10月26日、第4期地区労COM。第1回が開かれ4組合14人が参加した。元地区労事務局次長の松野四郎さんが問題提起した。
 1963年、千代田化成に就職。賃金・労働条件の改善が必要だと化学同盟兵庫地本に相談して千代田化成支部を結成。親会社千代田ゴムにも組合を結成した直後、大争議に発展し、110日間のストライキを闘った。千代田化成支部は、一時金・時給アップ、労働時間短縮などを勝ち取った。法律が私たちを守ってくれるのではない、私たちが闘い、声をあげてこそ守れるのだと気づいた。
 年末一時金の要求提出と同時に、会社は会社解散・全員解雇の通告をした。64年4月まで闘ったが、賃金・退職金を確保し闘争を終結。その後、総評の化学担当オルグに任命され、県総評に配属。首切り、合理化反対闘争の支援に奔走した。
 播磨カーボンのじん肺闘争は、化学同盟播磨ブロック連帯ストで企業内上積み補償制度を勝ち取るとともに、多くの支部でも実現。労働組合の連帯の力を実感した。
 69年、神戸での地域組織確立のため神戸地区担当オルグとなり、地域共闘の重要性を訴え、顔を出し人のつながりを作った。闘争組合に連帯のビラを配る活動を重ね、71年神戸地区労を結成。その後、退職者を組織する「熟年者ユニオン」を結成した。
 いま運動が低調だ。昨年のストライキは50件ほどだった。賃金、労働条件が下がるのも当たり前だ。先輩が築いた歴史を礎に自分たちで考えて運動を作る。「自分の人生は自分で切り拓く」という気持ちで運動を前進させてください、と問題提起がされ、その後、2班に別れて交流した。
 最後に、青木議長が、企業内にとどまらず地域で連帯して闘ってきたことが今につながっている。国際反戦デーはベトナム戦争に反対して世界中の労働者が集会、ストライキに取り組んだのが始まりだ。労働者が思いを声に出し、切り拓いてきたのが労働運動の歴史。引き継いでいかなければならない、とまとめた。

 

 

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