トルーマン・カポーティ「ティファニーで朝食を」
新潮文庫 9月から3回読んだ。今は原書で読んでいる。
これは私の語学力でも原書に挑戦できるくらい
よく読んだということです。
どこにも所属せず、なにも所有しない「ホリー」はNYという都会
で、一人気ままに暮らしている。
「travelling」と印刷された名刺、飼い猫との関係、ハリウッドで
の出来事。彼女の人生は確かに「travelling」そのもの。
だけど、無計画でも無自覚でもない。
自分の人生は自分次第という覚悟が感じられる。
彼女の目指す場所は「ティファニー」。
最高級品が手に入る場所。
節度あるフレンドリーさで対応してくれる店員。
ゆったりと買い物を楽しむお客たち。
I don't mean I'd mind
being rich and famous.
That's very much on my schedule, and some day
I'll try to get around to it; but if it happens,
I'd like to have my ego tagging along.
I want to still be me when I wake up one fine morning
and have breakfast at Tiffany's.
私はなにもお金持ちになりたくないとか、有名になりたくないって
言ってるんじゃないの。
むしろ計画に入っているくらいよ。
これからもその計画のために努力していくつもり。
だけどもし、それが現実になったとしても、
私は私自身を見失ったりしないわ。
ある晴れた朝、心地よい目覚めのあと、ティファニーで朝食をとる
ような生活が私を訪れたとしても、私は私自身であり続けるの。
自分自身の欲望を理解していること。
その欲望を満たすために努力していること。
だけど、その欲望のために自分を見失うわけではない。
欲望を自分でコントロールしようという明確な意志の存在。
こんなグラマラスな女がいたら、私だって貢いだろうな。
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