2001年12月3日のゲームの感想
「もっとも危険な男の復活」

 第12週のマンデーナイト、グリーンベイatジャクソンビルのゲームを見ました。NFLは12月のゲームがもっとも面白いのですが、それはやはり1ゲームの重みが9月から11月間ではとは少し違ってくるからです。しかしその緊迫感とは裏腹にシーズン後半は怪我人も多く、ゲーム自体は締まらないことになったりもします。

 今シーズンはグリーンベイのQBファーブの復調がトピックになっています。彼自身キャリアーで一番体調が良いとも言っているようですが、何しろ3シーズン連続MVPというモンタナでさえやったことのない偉業を成し遂げた男です。リーグでもっとも危険な男の異名はダテではないのです。

 しかしゲームは意外な展開を見せます。テンポ良くオフェンスを率いるジャクソンビルのQBブルネルは、視野も広く、落ち着いていてまたコントロールも良く、ミドルのパスを鮮やかに決めていきます。しかしどうもオフェンスラインが弱いようで、ランが全くでないのと、クイックのパスをは決まるのですが、パスプロのもちは悪いようです。それでも最初のシリーズでFG、次のシリーズでTDパスをWRジョセフに決めるなど、立ち上がりは好調です。

 一方グリーンベイは前評判と違い、とにかくオフェンスラインのパスプロがひどくて、ポロポロとパスラッシャーを漏らします。ファーブも落ち着いて左右のロールアウトからパスを投げますが、当然精度は落ちます。前半は度々パントになります。味方のディフェンスバックが何とかブルネルのパスを凌いでいるので大怪我には至っていませんが、モメンタムは圧倒的にジャクソンビルです。

 ジャクソンビルのオフェンスラインが弱い理由がわかりました。ラインの要LTトニー・ボセリが怪我をして出ていないのです。これではランもパスも出るわけがありません。それでも何とか更にFGを1本追加して13点差としました。

 このまま完封で前半を終えるかと思われたのですが、危険な男の真骨頂はやはり終了間際ということになります。ジャクソンビルのオフサイドの反則でゴール前に迫ったシチュエーションで、RBグリーンへのシャベルパスが決まり、中央からTD。辛うじて1本返しました。しかし前半をシャットアウトと7点取るのでは大きく違ってくるのです。負けないチームというのはこういうところがしぶといものですね。

 後半に入ってもジャクソンビルのミドルパスは面白いように決まります。しかし前半終わりから反則が段々多くなってきました。反則は罰退という実際上の痛手もありますが、モメンタムを失う、リズムが悪くなるなど、目に見えないダメージが大きいのです。

 グリーンベイもランが全く出ないので、ロングパスを織り交ぜながら攻撃をしてきます。ロングパスは本当に恐ろしいものです。例えサードダウンまで追い込んでもロングパスが1本決まるだけで、あっという間に20ヤード、30ヤードと進まれてしまいます。

 グリーンベイのファンブルから得た攻撃チャンスをきっちりTDに結びつけて6点、ここを勝負と見たコーチ・コフリンは気迫の2ポイントをコール。ここも決めて8点を追加し、14点差としたジャクソンビルはモメンタムを掴みかけたかに見えました。

 グリーンベイはそれでもしぶとく食い下がり、ロングパスでジャクソンビルDB陣をヒヤリとさせます。そんな中ジャクソンビルのDBが怪我をしたと見るや代わりの選手が入ったところにロングパスをヒットさせるTDを取りまず7点追加。

 キックオフのボールをジャクソンビルがファンブル。戴いたチャンスを見逃すファーブではありません。相手が浮き足立っているうちにロングパスであっという間にゴール前3ヤード。RBグリーンのランで2ヤードゲイン。次の2ダウンは浮かせたパスであっさりTDで同点。

 とはいえ何もグリーンベイのプレーがはまってきているわけではありません。相変わらずランは出ないし、それよりもむしろジャクソンビルが反則を重ね、ずるずると自滅。挙げ句の果てにはブルネルがこの日2本目のインターセプト。お互いパントで数シリーズを消化し、4Qも残り1分46秒。攻撃権はグリーンベイ。腕も千切れんばかりにパスを投げてきたファーブは相手がオフサイドなどのオーバーリアクトの反則が多くなって、焦っていることを逆手にとって、大きなスクリーンパスを決めました。あっという間にゴール前5ヤード。1プレー後の2ダウン6ヤードで右にロールアウトしたファーブはそのままするするとサイドラインを駆け上がりTD。残り1分30秒でとうとう逆転に成功したのです。

 残り時間を上手く使えなかったジャクソンビルは反則で反撃のチャンスも失い万事休す。グリーンベイは決して絶好調というわけでもないし、強いチームというわけでもないでしょう。しかし決めるべきところできっちきめるファーブさえ健在なら、この先も楽しみなチームといわざるを得ないでしょうね。


Copylight NO TIMES NETWORK INTERNATIONAL INC.1997・2001