| 2001年12月29日のゲームの感想 |
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今週のゲームの感想「鳴り物入りの重責」
第16週のゲーム、ボルチモアatタンパベイのゲームを見ました。両チーム共にこのゲームに勝つとほぼプレイオフが確実になるという大切なゲームです。ここで勝てば来週はほとんど休んでもよいわけで、そういう駆け引きの上でも負けられないゲームです。 NFLには「フランチャイズプレーヤー」という言葉と「ジャーニーマン」という2つの言葉があります。フランチャイズプレーヤーはルール上契約の際に、あるプレーヤーを「フランチャイズプレーヤー」として指名すると、その選手は他のチームと契約できなくなり、その代わりチームはそのポジションで上位5位以内の金額を払うというルールがあります。一般にはそういった指名を受けなくてもそのチームに長年所属し、ファンから親しまれた選手をそう呼びます。ボルチモアならLBレイ・ルイス、タンパベイならDEウォーレン・サップ。つまりこの両チームはディフェンスオリエンテッドなチームだということです。 その反対に「ジャーニーマン」とは複数のチームを流れ歩くプレーヤーのことで、ボルチモアのQBエルビス・ガーバックはサンフランを振り出しに、KCを経由して、今シーズンからボルチモアに、タンパベイのQBブラッド・ジョンソンはミネソタを振り出しに、ワシントンを経由して同じく今シーズンからタンパベイに。面白いことにこの二人とも、ディフェンスの強いチームに欠けた最後のピースとして「求められて、やって来た実力派」なのです。 昨年のスーパーボウルチャンピオンのボルチモアは昨年10点取れば勝つというくらいディフェンスが強く、それだけオフェンスの弱さが目立ちました。一方タンパベイはRBにもWRにも平均以上のタレントがあるのに、オフェンスがでないことが悩みでした。そこで鳴り物入りでやって来た二人のQBに求められたのは勝つことでした。 さて、ゲームは序盤いきなり最初のシリーズでボルチモアQBガーバックのパスがインターセプトされました。やれやれと思っていると、その後3シリーズ続けてのパント合戦。ディフェンスの強い2チームのゲームですから、仕方のない展開ですが、見ている方としては「しょっぱいゲーム」です。 先に勢いに乗ったのはタンパベイです。なんとかFGで3点を取り先制。しかし次のシリーズでボルチモアにもリズムがでてきてTDで逆転。この段階では拙攻なのか、ディフェンスが強固なのか判断が微妙ですが、面白いゲームになってきました。1回ずつパントを蹴り合ってのタンパベイのシリーズで再びFG。ディフェンスが堅く、キッキングにお互い冴えている部分があり、玄人好みのゲームという感じもあります。 キッキングではボルチモアのリターナー、ジャーメイン・ルイスが素晴らしい走りを見せ、タンパベイはパントブロックで見せ場を作ります。ボルチモアのパントをブロックしたタンパベイは敵陣23ヤードの好位置を得ますが、詰めが甘く、FG止まり。しかしここで逆転です。 再びKRルイスの素晴らしい走りで好位置を得たボルチモアですが、またしてもINTで相手にボールを渡し、1ヤード地点までリターンされます。さすがにここはきっちりランでTDをとり、前半終了時点で7対16とロースコアの接戦です。 後半に入り、タンパベイは戦術をラン主体に変えました。ボルチモアのディフェンスラインに怪我人が多いことを利用して、執拗に左のオープンを狙います。しかし今日のタンパベイには決定的に欠けている部分があります。チームで唯一計算できる得点源Kグラマティカが怪我でいないのです。今までの3つのFGは無事に代わりの選手が入れましたが、少し距離が伸びると結果は大きく変わってきます。そしてこの追加点が欲しい場面でFG失敗。キッキングゲームに不安があるとプレイオフはおろかスーパーは絶対に勝てないでしょう。 反対に4Qに入ってボルチモアがFGを1本追加し、6点差となりました。もちろんTD1本で逆転です。次のタンパベイのパントでもらった攻撃シリーズはタンパベイのパントが素晴らしくボルチモア陣1ヤードからの攻撃。反則はあったものの、20ヤード過ぎまで挽回した所で、4thダウン16ヤード。残り時間4分弱。ここにこのゲームの肝がありました。 皆さんがヘッドコーチならどうするでしょう?私ならここは勝負に出たと思います。残り時間を考えると敵に攻撃権を渡すと厳しくなるからです。しかしボルチモアのビリックHCはパントを選択しました。手堅く無難にいったのでしょうか?違います。敵のオフェンス力と味方のディフェンス力を考えて、自チームのディフェンスを信じ、もうワンチャンスあると考えたのです。 あにはからんや、タンパベイのオフェンスはあっという間に終わり、パントをキャッチした時点で、自陣11ヤード、残り2分56秒。充分ではありませんが、逆転に必要な時間はあります。後半に入り、ガーバックをカニンガムに変えるという選択もあったはずですが、コーチ・ビリックはガーバックと心中する道を選びました。そしてその選択は凶と出ました。 ボルチモアのオフェンスは思うように進まず、残り2分で、4thダウン10ヤード、クロスのルートを走るWRにアンダーニースのパスが決まりましたが、タンパベイのLBはパスカバーの旨さに定評があり、ウエストコーストオフェンスの肝であるキャッチしてからのランを望めるはずもなく、1stダウンを更新できずにボールデット。その瞬間にボルチモアの負けが決まりました。 しかもいらないことに次のタンパベイのシリーズで、一瞬気を抜いた隙にRBオルストットに30ヤードものランを決められ追加の7点を献上しました。いくら集中力を切らしたからとはいえこういう事ではいけません。さらにひどいことにタンパベイの2ポイントコンバージョンが失敗したあとのキックオフのボールをボルチモアがファンブル。ぐずぐずのゲーム終了になりました。 このゲームでお気付きのように、鳴り物入りでやって来た2人のQBはほとんど機能していません。昨年までの両チームほどの迫力がないのはその期待度の裏返しといっていいでしょう。もちろん彼らにかかるプレッシャー、相手チームの強固なディフェンス、プレーの選択、レシーバー陣のモチベーションなど条件は色々あると思いますが、その中で結果を残してこその「ジャーニーマン」なわけです。そうでなければ、ただのオチこぼれがチームを移動しているに過ぎません。 特にこういう「絶対に負けられないゲーム」できちんと結果を残す、これが高額のサラリーをもらったQBに科せられた絶対条件なのです。 |
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