2002年9月5日
「Are you ready to Football?」

 83年目のNFLシーズン開幕です。今シーズンは史上初めて木曜日に開幕試合を行いました。詳しい理由は知らないのですが、昨年のテロの関係でどうしてもニューヨークで開幕を行いたかったということらしいです。そしてそのカードはサンフランシスコ・アット・ニューヨークジャイアンツです。

 今年はアメリカンボウルでサンフランが来日しました。皆さんご存知の通りワシントンのスパリアーコーチにサンフランがこてんぱんにされたゲームでした。何が悪かったか?私のみならずサンフランのコーチは必死で弱点を洗い出したでしょう。そして必死になるまでもなくゲームを見た人が等しく思った通りサンフランの弱点はズバリ「セカンダリー」です。

 さてこの1ヶ月でその弱点は克服されたのでしょうか?昔からいわれていた旧NFC西地区は「ガンファイト・ディヴィジョン」です。どのチームもパスを得意とし、激しいオフェンス合戦を展開してきたのです。新しくなったNFC西地区もウェストコーストオフェンスをひっさげたシアトルが加入し、その度合いはむしろ強くなったといえます。もちろんパスといえばセントルイスを無視することも出来ません。

 つまり私が改めて言うまでもなくパスディフェンスの出来いかんでこのディビジョンの順位が決まるといっても過言ではないのです。

 さて、ゲームは開幕戦の緊張から来るのかぎこちなく進みます。お互いレッドゾーンまで進むのですがなかなか得点出来ません。そんな中で目を引くのは往年のジム・ケリーばりにパスを投げるケリー・コリンズです。そしてそんなコリンズのパスが面白いように決まるのはサンフランのセカンダリーがだらしないからです。マンツーマンではきちんと付ききれない。ゾーンではカバー出来ない。プロとは思えないディフェンスです。

 私が前半を見ていた思ったのはもしかするとジェフ・ガルシアの怪我は治っていないのでは?という疑問です。アメリカンボウルの時はすぐに引っ込んだのでその出来を判定することは出来なかったのですが、レギュラーシーズンにスタートQBとして出てきたにしてはあまりにパスの精度が低いのです。これが他のQBならそういうこともあるかと思いますが、ガルシアです。もしかすると怪我が完治していないのではと感じました。

 このゲームは私はジャイアンツが支配していたと感じました。しかしそれでは何故調子の悪いガルシアが、ザルのセカンダリーが勝てたのでしょう?

 アメフトはいうまでもなくチームスポーツです。セカンダリーが調子が悪ければその分フロント陣が頑張らなくてはなりません。サンフランのディフェンスラインは必死に黙々と仕事をこなしていました。そのことは見落としてはいけません。確かにコリンズは調子がよくラッシュを寸前でかわしていましたがそれでもサンフランのラインは諦めませんでした(因みにこの日のジャイアンツのラッシングはトータル43ヤード。何も言う必要はないでしょう)。

 その結果が3Qのジャイアンツ陣奥深くでのコリンズに対するサックです。そしてジャイアンツの新人パンターがミスをしてサンフランはフィールド中央という好位置を得ました。そしてこの日たった16回しか成功しなかったガルシアのパスですが、このポジションでこの日RBバーロウに素晴らしいパスが決まりました。もちろんいいブロックがあったのはいうまでもないです。

 このあとRBハーストへのパスが決まり3Q残り少しの所でようやくサンフランが10-6と息を吹き返しました。4Qに入りサンフラン1FG、ジャイアンツ1TDでゲームは動きを見せ2ミニッツワーニング後の最初のプレーででジャイアンツが同点にします。

 サンフランのセカンダリーがザルだったのに対してこの日のジャイアンツのセカンダリーはよく仕事をしていました。サンフランのWRオーウェンスには徹底してダブルカバー、ボールに触らせもしませんでした。しかしこの同点後の一瞬の隙をつかれます。同点になって油断していたとは思いたくありませんが、このわずかな隙を逃すガルシアとオーウェンスではありませんでした。

 結局FGが決まりゲームエンド。この試合のポイントは2つ。勝ちを拾ったサンフランの側からいえば「諦めないで自分のプレーを続けること」これはディフェンスラインとLBに捧げたい。そして「集中力を保つ」これは少ないチャンスをモノにしたオフェンスに捧げたい。

 スタッツを見るまでもなくこのゲームは本来ジャイアンツ楽勝のはずでした。しかし現実はそうではない。これがアメフトのおもしろさでもあるのですが、やはり戦略なのです。弱いサンフランのセカンダリーを攻めきれなかったジャイアンツの甘さなのです。

 但しサンフランも喜んではいないでしょう。このザルのコーナーバックとセーフティーを何とかしないとジャイアンツには勝てても宿敵セントルイスにはこてんぱんにされてしまうでしょう。

 「Are you ready to football?」マンデーナイトのオープニングで唄われる歌の歌詞ですが少なくともサンフランはまだ準備が出来ていないようですね。

 それとこれは私見なのですが、3Qのコリンズのパスをインターセプトしたプレー。あれショートバウンドしていますよね?


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