| ディフェンスの理解 |
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まずはポジションの理解
ディフェンスのフォーメーションに関してはルールがないので、ほぼ無限に変化するといっていいと思います。つまりオフェンスは「スクリメージに7人の選手が並ばなければいけない」というルールがありますが、ディフェンスにはそのルールがないので、スクリメージに11人並んでもいいし、1人もいなくてもいいわけです。チームによってポジションの呼び名が全然違うこともありますし、暗号や略称などがいっぱいあるのもディフェンスのポジションです。 どうしてもTV観戦時はオフェンスに目がいきがちですし、実際ディフェンスのフォーメーションが確認できるほど「引いた」画面というのはまれです。しかしディフェンスの仕組みをきちんと覚えてから見るとよりオフェンスが深く理解できますし、ゲームが更に楽しくなることは間違いありません。 さて、2002年シーズンからNFLが全32チームになりますが、大半のチームがディフェンスの基本に4-3ディフェンスというフォーメーションを採用しています。ですからまず下図の4-3というフォーメーションを基本に各ポジションの役割を理解しましょう。
ディフェンシブタックル DTと書かれた「ディフェンシブ・タックル」(口語ではディフェンスタックルともいう)はディフェンス側の「タックル」というポジションです。このポジションは最前線の真ん中にいるため、後ろにいるミドル・ラインバッカーと共にまずは中央部の「ラン」を止めるという大きな役割があります。 つまりオフェンスのセンタープランジやオフガードプレーが上手くいっているということはこのディフェンシブ・タックルが機能していない、言い換えるとオフェンスのガードやセンターに上手くブロックされているということになります。逆にオフェンスのセンターへのプレーが全然出ない時はディフェンシブタックルがきちんと機能しているということになります。 また、パスプレーの時にはオフェンスラインを破ってクォーターバックに迫る「パスラッシュ」という役割があります。この前列、ディフェンスラインのパスラッシュが弱いとクォーターバックはターゲットを探す時間に余裕ができて、ディフェンスは崩壊してしまいます。 ディフェンシブエンド 中央のディフェンシブ・タックルとその外側のDEと書かれた「ディフェンシブ・エンド」(口語ではディフェンスエンドともいう)は4-3ディフェンスの「ディフェンスライン」ということになります。図では赤い色をした4人です。 ディフェンシブ・エンドは主にオフタックルからオープンに出るランのカバー、そしてディフェンシブ・タックルと協力して中央の守備を行います。 最近ではディフェンシブ・エンドのパスラッシュ能力というのが非常に重要になってきています。大型で素早いディフェンシブ・エンドはオフェンスラインの恐怖の的になるわけです。当然パスプレー時にはオフェンスラインの外側から、隙間から、中側からと変幻自在にパスラッシュを行いクォーターバックにプレッシャーをかけます。 ミドル・ラインバッカー MLBと書いてあるのは「ミドル・ラインバッカー」です。ディフェンスの中心に位置するために「ディフェンスのクォーターバック」とも呼ばれる重要なポジションです。ラインバッカーはラインの後ろに漏れてきたランナーをタックルに行くのが最大の任務です。また4-3ディフェンスでは前にはディフェンスの選手がいないため直接オフェンスのセンターと対峙するわけです。つまりダウンフィールドブロックに出てきたセンターのブロックを交わしてその後ろにいるランナーにタックルしなくてはいけないわけです。 前後左右に動けなくてはいけないことはもちろんですが、ミドル・ラインバッカーの守るアンダーニースのゾーンに走り込んできた、タイトエンドやワイドレシーバーのチェックなどもしなくてはならず、スピードも要求されます。 オフェンスのオーディブル(ディフェンスのフォーメーションを見てプレーを変える)はクォーターバックの仕事ですが、ディフェンス側のオーディブルはこのミドル・ラインバッカーが出すことが多いようです。 アウトサイド・ラインバッカー OLBアウトサイド・ラインバッカーはオープンプレーのランナーを守るため大型でスピードがあり左右前後に動ける選手が求められます。積極的にパスラッシュをする場面も多く、ディフェンシブ・エンドの外側のラインにセットしてパスラッシュを行うシーンも多いです。 その際は遠くからクォーターバックを目指すわけですからもの凄いスピードが必要であると同時に、クォーターバックに到達した時には計り知れない破壊力でぶつかることになります。 上の図で黄色い枠に黒い字の3人がラインバッカーでその名の通りラインの後ろにいる人達です。ランストップもパス守備もしなくてはならない大変なポジションであるといえます。 コーナーバック 青い色の4人は「ディフェンスバック」です。ディフェンスラインとラインバッカーを「フロント」という代わりにディフェンスバックを「セカンダリー」ともいいます。両サイドの一番外側CBと書かれた「コーナーバック」はワイドレシーバーのチェックを行います。マン・ツー・マンディフェンスの時はスクリメージライン際にセットして、「バンプ」と呼ばれるワイドレシーバーを押したり(ルールによってスクリメージから身体にチェックしてよいゾーンが決まっている、そのゾーンを越えてバンプやチェックを行うと反則になる)走路を邪魔したりする。この際コーナーバックは後ろ向きに数歩走り(バックペダルという)そしてワイドレシーバーのスピードが乗ってきたところでくるりと向きを変えて、レシーバーと併走する。 基本的にはランナーをフィールドの内側に走らせてはいけない。必ずコーナーバックはレシーバーの内側にポジションを取りレシーバーをサイドラインに押し出そうとするのです。つまりサイドラインを味方にして挟み撃ちにするのです。 ただし味方のセーフティが内側にいる際はこの限りではありません。外側にポジションを取りアウト側に抜かれないようにセーフティーと挟み撃ちにします。 またゾーンディフェンスの時は予めスクリメージラインより数ヤード後ろに下がって立ち、決められたゾーンを守るようにします。ただしこの際もあからさまに最初から下がっているのではなくて、レシーバーを数度バンプして走路を崩してから自分のゾーンに下がるというテクニックを使ったりします。 このコーナーバックとレシーバーの戦いもなかなか面白いのですが、TVの画面にはなかなか入ってきません。 ストロング・セーフティー ディフェンスの最終ラインはセーフティーです。SSと書かれた「ストロング・セーフティー」はなぜストロングと呼ばれるのでしょう?オフェンスで人数の多い方をストロングサイドといいますが、大抵は「タイトエンドのついたサイドをストロングサイド」といいます。つまりこのストロング・セーフティーは「タイトエンドをマークする」為のセーフティーなのです。 上の図ではタイトエンドが右サイドに位置しているのでストロングセーフティも右サイドにいますが、タイトエンドが左サイドにいればストロングセーフティも左サイドにポジションします。 ディフェンスラインとミドル・ラインバッカーでオフェンスラインをマークします。2人のアウトサイド・ラインバッカーで2人のランニングバックをマークします。2人のコーナーバックで2人のワイドレシーバーをマークします。するとタイトエンドのマークをこのストロングセーフティーが行わなければならないわけです。 2人のセーフティーとコーナーバックは「ディフェンスバック」と呼ばれ素早く、運動能力の高い選手が選ばれますが、特にストロング・セーフティーはディフェンスバックの中で一番体の大きな選手が選ばれます。 フリー・セーフティー ディフェンスの一番後ろはFSと書かれた「フリー・セーフティー」です。上に書いたオフェンスとのマッチアップとの考え方でいうと、フリー・セーフティーの担当はクォーターバックになります。しかしクォーターバックがダウンフィールドに出てくることはクォーターバックのランプレー以外ほとんどないわけです。 つまりほとんどのプレーでアサイン(担当)に余裕があるのがフリー・セーフティーでそれ故にフリー(自由)という名前なのですね。裏を返すと、最終防衛ラインです。フリー・セーフティーの後ろはエンドゾーンです。抜かれるとタッチダウンになるのは必至です。 タッチダウンが怖くて、深く守っていればタックルに行けないということはないでしょう。ランナーが上がってくるまでに時間と距離の余裕がありますから。しかしそれではファーストダウンは軽々と取られてしまいます。通常はボールの位置より10ヤードのところに守ります。しかしランプレー時には少しでも前でオフェンスの全身を止めるために前に行かなくてはいけないし、パスプレーの時はコーナーバックと連携してパスを防がなくてはいけません。 この二人のセーフティーのポジショニングというのはディフェンスの意図を解く上で重要なのですが、やはり残念ながらTVに写ることはほとんどありません。 Copylight NO TIMES NETWORK INTERNATIONAL INC.1997・2001
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