| ゲームの流れ |
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まずはざっと読んでみてください。
細かいルールなどは気にしないで、アメフトのゲームの流れについて大まかに理解して欲しいと思います。どうしても必要なことは逐次解説をしますし、覚えることはあとでいっぱい出てきますから、いまはとりあえずゲームの流れを理解してください。 ゲームの流れ アメフトは1ゲームを前半と後半で分けて、更にその前後半を2つのクォーター(クォーターとは4分の1の意味)に分けて全部で4つのクォーターからなっています。1つのクォーターは15分。ですからゲームの正味の時間は1時間という事になります。しかし実際はサッカーと違いいろんな場面で時計を止めますので、2時間半から4時間くらいかかるものだと思ってください。 選手の人数は11人と覚えてください。この点だけはサッカーと一緒です。ですからフィールドには常に攻守合わせて22人の選手がいます。サッカーや野球と違うのは、オフェンスとディフェンスは違う選手が担当しますし、キックを蹴る場面ではスペシャルチームと呼ばれる選手が出てきます。選手交代は無制限に自由。何回でも交代できますし、何人でも交代できます。同じ人が出たり入ったりも出来ます。ただし、サッカーのレッドカードやホッケーのパワープレイのように一方のチームの選手が多いということは交代のミスでは起こりますが、ルールでそういう制限を受けるということはありません。 まず試合開始時にはコイントスでボールかフィールドのどちらかを選びます。コイントスに勝ってボールを選べば最初の攻撃権が貰えるのでレシービングチーム(スペシャルチームのボールを受ける方)を出します。フィールドを選べば(屋外のスタジアムの場合)風向きなどを考えて少しでも有利な方を選びキッキングチーム(スペシャルチームのボールを蹴る方)を出します。ただし後半戦の第3クォーターの始まりは自動的に逆の立場になりますので、試合展開を読んでどちらをとるか考えることもありますが、ほとんどはボールを選んで最初に攻撃することを選びます。 それは何故かというと、アメフトは野球と違い攻守の交代が確実ではないからです。野球は先攻を選べば絶対に9回まで攻撃できますが、アメフトはボールを持っているチームが上手く時間をコントロールすれば、全部で1時間のゲーム時間のうちAチーム45分間攻撃、Bチーム15分間攻撃、ということも起きるからです。これをボールを保持した時間「タイム・オブ・ポゼッション」といいます。 ゲーム開始・オフェンス コイントスが終わると各選手がフィールドに散らばりいよいよキックオフです。オフィシャルの笛が鳴り、キッカーがボールを蹴った瞬間、キッカー以外のキッキングチームの10人が全力疾走でボールの落下点を目指します。レシービングチームは選手を何列かに分けてボールをキャッチしたランナーのために壁を作ります。こうしてレシービングチームがリターンをして押し戻した地点からオフェンスが始まります。キックオフのプレーはたいていの場合、時間は短くほんの数秒ですが、実はこの瞬間がアメフトでもっともダイナミックで面白いという人もいるくらいです。スペシャルチームの選手はキッカーなどのようにそれ専門の人もいますが、ディフェンスの交代要員の選手などがあたることが多いようです。このスペシャルチームの見どころについては別項「スペシャルチーム」を参照してください。 いよいよオフェンスとディフェンスの選手が出てきます。ほとんどのチームはオフェンスにスター選手がいるので名前を知った選手も出てきているでしょう。さぁ、ここからがいまの皆さんの悩み所です。オフェンスとディフェンスどちらを見ていたらいいのか良く分からない。オフェンスにしても1回1回違うフォーメーション(選手の並び)をしているし、誰がボールを持つか分からない。そりゃそうです、同じフォーメーションで誰がボールを持つか分かったらあっという間にディフェンスにつぶされてしまいます。 細かいことはおいておいてここではオフェンスの目的とその方法についてお話しします。オフェンスの目的はボールをエンドゾーンに運ぶことです。エンドゾーンまで何回でも攻撃できますが、基本的ルールがあります。それは「4回で10ヤード進みなさい」ということです。とにかく4回の攻撃権があるうちに10ヤード進めば、次の新しい4回の攻撃権を得られます。 しかしほとんどの場合攻撃らしきものは3回しかやりません。なぜか?それは4回目の攻撃が終わったあとで最初の地点から9ヤードしか進めていないとします。するとその地点から相手の攻撃が始まることになるからです。それよりは3回目の攻撃が終わった時点で残りが何ヤードかあれば、パントといってキックにより攻撃を放棄したほうがいいからです。なぜパントの方がいいのでしょう?それはパントを蹴るキッカー(パンターといいます)が敵陣深くボールを蹴り込むことで相手がエンドゾーンまで進む距離を多くできるからです。相手はボールの到達地点から攻撃を再開しますから、いまボールがある地点よりも数段有利に次のシリーズでディフェンスができます。このことを自陣を挽回すると表現します。 ですから実際には攻撃らしい(本当はパントも攻撃なのですが)攻撃は3回しか行いません。つまりとにかく3回以内の攻撃で10ヤード進めば、更に次の4回の攻撃権が得られると考えてください。新しく攻撃権を得ることを「ファーストダウンの更新」といいます。これは攻撃の回数のことをダウンといい1回目をファーストダウン、2回目をセカンドダウンと表現するからです。こうしてダウンを更新していけば、フィールドの縦の長さは100ヤードなので、理論上は10回ファーストダウンを更新すればどんな場所からでもエンドゾーンに辿り着きます。無事エンドゾーンに辿り着く、もしくはパントで攻撃権を放棄する、更にその他で相手チームにボールが渡るまでの味方チームの攻撃を「シリーズ」と呼びます。もちろん最初に攻撃権を得るのは自陣0ヤードという事はありませんから、普通は1シリーズで10回もダウンを更新することはありません。 オフェンスには大きく分けて2種類あります。ランプレーとパスプレーです。ランプレーはその名の通りボールを持って走る方法です。鬼ごっこやラクビー同様相手を交わしてとにかく前に進むのです。もう一つのパスプレーは正確には「前にパス」する「フォワード・パス・プレー」ということができます。何故なら横または後ろにパスするラクビーと同様のパスはラクビー同様何回してもいいのですが、フォワードパスは1プレーにつき1回しかできないという明確な違いがあるからです。オフェンスはこうしてランプレー、パスプレーを織り交ぜてダウンを更新しエンドゾーンにボールを運び得点します。
得点方法 得点方法にはいくつかあります。まずボールをエンドゾーンに持ち込むと6点、「タッチダウン」です。エンドゾーンは3次元という概念ですので、ラクビーのトライと違い地面につける必要はありません。ですから良くゴールライン際で選手がジャンプしてエンドゾーンに飛び込んでいるのです。選手の膝や肘が地面に着く前にエンドゾーンにボールが少しでもかすればそれでタッチダウンなのです。 タッチダウンしたあとボーナスポイントの権利がもらえます。これをポイント・アフター・タッチダウンといいます(エクストラポイントともいう)ゴールラインから2ヤードのところにボールを置き、キックでゴールポストに蹴り込むと1点、普通のプレーを行いタッチダウンと同様にランプレーかパスプレーでエンドゾーンに持ち込むと2点が入ります。キックであれば9割以上は点数が入るのですが、どうしても追いつきたい場合や点差が1点でも2点でも変わらない場合などは普通にプレーする場合もあります。この普通のプレーのことを特に「2ポイント・コンバージョン」ともいいます。 エンドゾーンまではボールが運べませんでしたが、味方のキッカーのキックによる得点方法もあります。「フィールドゴール」という方法です。パントとの違いはパントはボールを手に持って空中に放り上げてから地面に落ちる前に蹴る(蹴鞠のようです)のに対して、フィールドゴールはホールダーという人が地面にボールを固定してそれをキッカーが蹴ります。NFLのキッカーであればボールの位置が30ヤードの内側に入るとフィールドゴールで得点できる距離に入ったと判断されます。ルール上はフィールドのどの場所からでも蹴ることは許されています。ゴールポストの間に蹴り込むことができれば3点入ります。 攻守の交代 相手チームが得点したあと、再びキックオフで試合が再開されます。今度は得点を入れたチームがキッキング、入れられたチームがレシービングチームを出し、攻守が交代します。もし得点が入らずに相手が4回目の攻撃でパントを選んだ場合も同様に攻守交代です。更にボールをファンブルしてディフェンスが確保した場合はその地点で、オフェンスのパスをインターセプト(空中で横取り)した場合はインターセプト後にリターンした地点で、相手のフィールドゴールが失敗した場合はボールを地面にプレースした(置いた)地点で攻守交代になります。キックオフとパント以外の場合はアッという間に攻守交代ですから気が付くとオフェンスが変わっていて「何で?」ということにもなります。 ディフェンス ディフェンスの要点は相手に得点されないこと、相手のボールを進めないこと、できればロスさせる(後ろに下げる)、もっといえばボールを奪うことです。ボールを奪う方法は相手のパスをインターセプトする、ランナーの持っているボールを叩いてファンブルさせるという方法があります。しかしたいていの場合はボールを進めないことという意味でタックルするのがほとんどのプレーになります。 ディフェンスのシステムやフォーメーションについては別項を参照してもらうとして、ディフェンスにも得点チャンスがあることを覚えておいてください。これは相手の攻撃を相手の(味方のではない)エンドゾーン内で止めた場合、セイフティといってディフェンスの得点で2点入ります。 ゲームの進行と反則 上記のオフェンスとディフェンスの目的を理解すれば、アメフトはもうほとんどあなたのもので、とりあえずゲームを見て退屈しないレベルに達したと思います。次にこのゲームを進行させているオフィシャルについて説明しましょう。 サッカーなどのように主審の時計の測り方1つでロスタイムが決まるようないい加減なことをアメリカ人は好みません。きちんとサイドラインには計測のための10ヤードの長さのチェーンを用意しておいてボールの先端が1ミリでも足りなければダウンの更新はなりません。それなのに、ああそれなのに、ボールの到達した位置はオフィシャルの目測なのです。この矛盾する事実には私は随分長い間悩まされました。 キックオフやパントでレシーバーがキャッチすると近くにいるオフィシャルが黒いマーカーを地面に投げつけて「ボールが落ちたのここだよ〜ん」とマークします。投げつけるのですから当然いい加減です。パスキャッチした際もオフィシャルが目で見ていてプレーが終わると急いで駆けつけて足で「ボールはここまでね」と地面を踏みつけます。しかしこのことをいい加減と非難することはアメフトの世界では御法度です。 なぜなら本当にこの1点を除いては極めて合理的、論理的にできているし、ボールの到達点も他に方法がないからこうしているだけなのだと理解できます。そしてそのためにNFLのゲームには7人ものオフィシャル(正確にはもっといます)がいるのです。 オフィシャルは黄色い布を持っていて、その布はペナルティ・マーカーとかイエロー・フラッグと呼ばれます。反則があるとこのマーカーをぽーんと放り投げたり反則をした選手にたたきつけたりします。NFLのルールのほとんどはプレーヤーの怪我の防止のためと、ゲームを盛り上げるためのものでできています。目で見ても反則があったことがすぐに分かるこのシステムは広いスタジアムでの観戦や、ボールがないところでの反則などの際に有効です。 この反則に対する扱いもアメフト独特のものがあります。まず基本的には反則をしたチームが、5ヤード、10ヤード、15ヤード後ろに下がるという「罰退」という反則の適用があります。アメフトはパントに象徴されるように陣地の挽回というのが重要ですから、反則によって自動的に下げられるというのは陣地を失うことになるわけです。 ところがこの反則、自動的に適用される場合だけはありません。反則された被害者チームに聞いて、反則の適用を尋ねる場合があります。どういう事でしょう。用語のことは後回しにしてその状況だけ理解してください。 セカンドダウン5ヤード(あと5ヤードでダウンの更新)。オフェンスのパスが15ヤード先のワイドレシーバーに通りました。その際ディフェンスにオフサイドの反則がありました。オフサイドの反則は5ヤードの罰退です。この際反則が適用されれば5ヤード進んだ時点からのファーストダウンになりますが、反則を辞退すればパス成功が生きてくるのでボールは15ヤード先まで進みます。つまりオフェンスにとって反則を辞退した方が有利なのです。この場合はオフィシャルはオフェンスのキャプテンに反則をとるか辞退するか聞きに行き「オフサイドの反則があったけども、オフェンスは辞退する」とコールします。 逆の場合もあります。サードダウン10ヤード。オフェンスのランを5ヤード進んだところで止めました。そしてオフェンスにホールディングの反則がありました。オフェンスのホールディングは10ヤードの罰退です。状況にもより、サードダウン20ヤードにしてもいいところですが(反則を適用するとそのダウンはやり直しになるのでサードダウンは繰り返しになる)、反則を辞退すれば(サードダウンは生きるので、自動的にダウンは進み)フォースダウン5ヤードですから、相手チームはパントでしょう。この場合はディフェンスが反則を辞退することもあるのです。 反則はボールに関係ない地点でもおきます。オフェンスとディフェンスが両方いっぺんに反則することもあります。このことが余計ややこしくしていると思うのですが、それだけプレーが複雑だということもあります。オフェンスとディフェンスが同時に反則を犯した場合は、その反則は相殺されて、プレーをやり直します。 トゥー・ミニッツ・ワーニング 最後にNFL独特のルールを説明しておきます。2ミニッツワーニングです。これは2クォーターの終わりと4クォーターの終わり2分前になると自動的に時計が止まりタイムアウトがとられることです。つまり前半終了2分前とゲーム終了2分前は重要な点数の取り合いになることが多いので、選手も観客も注意しなさいよ、ということだと思います。 NFLのチームはどこでもこの2ミニッツ用のドリルをいくつか持っており、時間を効果的に止めながら、無駄な時間を使わないでいかに前に進むかというオフェンスのパターンを持っています。この2分間での逆転はアメフト最大の醍醐味で、ここで火事場の馬鹿力を発揮するチームも多く、見どころの1つといえるでしょう。 Copylight NO TIMES NETWORK INTERNATIONAL INC.1997・2003
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