アジア映画通信 Asian Cinema Press ☆第15回プサン国際映画祭レポート 2010年10月7日〜15日 今村ミヨ Report: 15th Pusan International Film Festival 7 - 15, Oct. 2010 by Imamura Miyo
今年も行ってきました、プサン映画祭。10月7日朝、博多からビートルに乗り、穏やかな海面を眺めながら、プサン港に到着。ホテルにチェックインした後、PIFFセンターで、さまざまな資料をもらって、帰ろうとしたら、プログラマーのジェイ・ジョンとばったり。今年のスポンサーになっているヴァイタミン・ウォーターが用意してあるというので選んで飲みながら歓談。聞けば、今年は明日のチケットがチケットブースで取れるというので、早速ゲット。それから、明日からの忙しい毎日で買いに行くことができないだろうというデパート地下の食料品売り場で、クラッカーやビスケット、牛乳やビールなどを購入。夕方、シャトルバスが出るシークラウドホテルに行くと、岡田将生がエレベーターから降りて来た。まもなく、蒼井優も降りてきて、「雷桜」の二人で映画祭のカメラマンによる撮影。さて、オープニングの会場となるヨットセンターに着くと、すでに大勢いの観客でいっぱい。そして、ゲスト用入り口の前のレッドカーペットの両側には、一目スターを見ようというファンが黒山の人だかり。その中を抜けながら、入り口に進んで、まずは、久しぶりのキム・ドンホ委員長と握手。さらに、イ・ヨングァン委員長とも1年ぶりの再会。会場の中に入れば、もうすでに多くの観客がゲストを待ちかまえている。エリアが、5つに色分けされていて、海外ゲスト席は、スクリーンに向って右側のレッドエリア。次々とやってくる海外の映画祭関係者と歓談していると、ゲストがレッドカーペットを歩いてくる。そして、いよいよ開会ということで派手に花火が上がり、開幕作品の上映ということになったのだが、なかなか始まらない。(後で聞いたところによると、韓国語の字幕ソフトのトラブルで、開始がかなり遅れてしまったということだった。)約20分遅れで、中国映画『サンザシの恋』が始まる。文化大革命の頃、地方の村で暮らす少女と都会から下放されてやってきた青年の秘められた恋。貧しくて、体操服も買えない少女に、青年は、お金を渡す。そんな青年に次第に好意を持っていく少女。しかし、身分の差は大きく、少女の母は、交際を禁止してしまう。そして、青年は、白血病に冒され、遠く離れた病院に行ってしまう。そして、歳月が過ぎ、女性兵士として働く少女のもとへ、青年が危篤だという連絡が来る。しかし、少女が駆け付けた時、青年はすでに息絶えていた。最近、「LOVERS」「HERO」などのスペクタクル超大作ばかりだった張藝謀(チャン・イーモウ)監督がひさしぶりに、ティーンエイジャーのプラトニック・ラブをテーマにしたラブストーリーだが、典型的なメロドラマで、目新しさはない。 映画が終われば、後はパーティー。シャトルバスの中で、ペ・チャンホ監督と10年ぶりぐらいに再会。グランドホテルに着くと、入り口のレッドカーペットの両側には、スターを一目見ようと、多くのファンが“入り待ち”をしていた。会場に入ると、まだそんなに多くのゲストは来ていないようで、ゆったりした感じ。赤ワイン飲みながら、料理の乗ったテーブルに近寄っていると、向こうからノ・ヨンシムが駆け寄ってくる。1年ぶりの再会だ。先程のオープニングセレモニーで、ピアノを弾いていたので、プサンに来ていることは知っていたが、すぐに出会えるとは思っていなかった。今回は、たくさん音楽の仕事が入っているが、ソウルでのコンサートもあり、明日一度ソウルに帰って、あさってまたプサンに来るそうだ。例によって、夫であるハン・ジスン監督に電話をかけて、声を聞く。彼女がムン・ソリを紹介してくれる。もちろん、知っているが、話すのは、初めてだ。「オアシス」の話から始まって、最近の作品の話までさまざまな話題が出る。ちょうど、イ・チャンドン監督もやってきたので、一緒に写真を取りながら、歓談。先程、あいさつしただけで、ゆっくり話ができなかったキム・ドンホ委員長と歓談。今年は、委員長として最後の映画祭なので、毎日いろいろな行事があって、それに次々と出席しなければならないので、大変だそうだ。とりあえず、世界各地の映画祭ディレクターのミーティングである“ラウンドテーブル”が明日のランチなので、そこでの再会を約束する。やはり1年ぶりのアン・ソンギは、ファンに取り囲まれ状態。“来年、私たちの福岡アジア映画祭が25周年を迎えるので、都合がつけば、来てほしい”と告げると、“たぶん、来年の7月頃に新作が公開になる予定だから、福岡でその作品を上映できれば、ちょうどいいタイミングなんだけど、…。”という返事。とにかく、連絡を取り合いながら、スケジュールを調整するということにする。そろそろお開きかなという感じで、1階に通じる階段を目指そうとしていたら、カン・スヨンから呼び止められる。“彼女を知ってる?”と言いながら、キム・ジミを紹介してくれる。“もちろん、知ってます。大女優でしょう。”と返答しながら、握手。今年は、韓国映画回顧展でキム・ジミを特集しているので、ホテルの壁面などに、彼女の顔が載った大きなポスターが貼られている。(つづく)